早稲田大学の水島朝穂教授がホルムズ海峡最狭部に公海がないことを指摘したのに対し、民主党の辻元清美衆院議員は質問主意書で、政府からこれを認める閣議決定の回答を引き出した。
政府は辻元議員の質問に「ホルムズ海峡の最狭部においてはイラン及びオマーンが主張する領海が重複しており、公海は存在しない」とした。
辻元議員は「ホルムズ海峡で機雷除去をするということは他国の領海内での集団的自衛権を想定することになる」と、安倍総理が集団的自衛権行使容認にこだわる理由のひとつを明確にした。
また、辻元議員が「グアムやハワイに向かう弾道ミサイルに核兵器や生物兵器が搭載されており、日本上空で撃墜したらどうなるか」の問いには「集団的自衛権の行使容認を前提とした問いには答えられない」と答弁した。
水島教授は自身のホームページでの「直言」や月刊誌「世界」(岩波書店)などで「オマーン領海に敷設された機雷を海上自衛隊が除去しようと思えば、海上自衛隊はオマーン領海内に必然的に入ることになる。政府・自民党は、一時、集団的自衛権行使は他国の領海には原則として入らず、公海上に制限する考えを閣議決定のための指針に盛り込むとしていた(『朝日新聞』2014年6月8日一面)。だが、ホルムズ海峡の国際通航路はオマーン領海に設置されており、海峡の最も狭い部分には公海が存在しないので、オマーンの領海に入らなければホルムズ海峡での機雷除去はできない」と指摘していた。(編集担当:森高龍二)