官民一体で進むサイバーテロ対策 日本マイクロソフトが警視庁に技術提供

2014年07月03日 07:41

警視庁と日本マイクロソフト株式会社は27日、セキュリティ協力に関する覚書「Security Cooperation Agreement」を締結したと発表した。日本マイクロソフトは、サイバー攻撃発生時などを緊急時に、民間事業者の立場から技術的なアドバイスなどを提供するほか、警視庁の職員に対する技術研修の機会などを提供する。

 この覚書に基づき、日本マイクロソフトが協力するのは主に①技術情報の提供②、緊急時の協力、③サイバーセキュリティ人材育成への貢献警視庁の職員に対し製品に関する研修やマイクロソフトが主催する国際カンファレンスへの参加などを通じた技術支援を提供、の3点だ。

 「Security Cooperation Agreement」は、マイクロソフトが安心・安全なサイバー空間の維持に貢献するため、公的なセキュリティ機関に対して技術面での協力を提供するというプログラム。グローバルに展開しており、2014年6月現在、国内外で50以上の公的セキュリティ機関との締結実績があり、日本国内では JPCERT/CC とも同様の覚書を締結している。今回はいよいよ警視庁に技術提供することになった。同社はサイバー空間の『交通安全』を実現するため、警視庁との官民連携を強化するとしている。

 サイバーテロ(攻撃)とは、重要インフラの基幹システムに対する電子的攻撃のことだ。一般的にはコンピュータ・システムに侵入し、データを破壊、改ざんするなどの手段により、国家や社会の重要な基盤を機能不全に陥れる行為をいい、サイバー犯罪の中でも最も甚大で深刻な被害を及ぼす危険があるとされている。

 また、サイバーテロは、一度発生すれば国民生活および社会・経済活動に大きな被害を与える可能性がある。このため、警視庁ではできる限り早期に把握し、被害の未然防止と拡大防止を図ることが重要であり、そのためには、平素から、重要インフラ事業者等と連携し、サイバーテロの予兆把握に努めるとともに、サイバーテロが発生した際には、速やかに対策を講ずることのできる態勢を確保する必要があるとしている。このため、官民一体となった効果的なサイバーテロ対策を推進しているが、今回のマイクロソフトとの連携もその一環だ。(編集担当:慶尾六郎)