25日のNYダウは49ドル高で3日ぶり反発。NASDAQは29ポイント高で14年ぶりの高水準。1~3月期の実質GDP確報値(年率換算)が発表され、1.0%減から2.9%減に大幅下方修正され市場予測を下回ったが、「大寒波のせい」で済まされNYダウがマイナスなのは序盤のみ。4~6月期は回復という見方は揺るがず午後は尻上がりに上昇し前日下落分の約4割を取り戻した。好決算と自社株買いを発表したモンサントは5.1%高。26日朝方の為替レートは、ドル円は101円台後半で円高が進行、ユーロ円は138円台後半で円安が進行していた。
シカゴCME先物清算値は15335円。日経平均は53.52円高の15320.13円で始まり、6月、12月決算銘柄の予想配当落ち分13.60円をカバーした。TOPIXもプラス。午前9時4分に15345円まで上昇した後、序盤は15310~15330円で小動きする。9時30分頃から下落して15300円を割り込み9時56分に15279円まで下げるがマイナスにはならず、10時台後半には15300円台を回復する。ドル円の円高進行にもかかわらず堅調で、序盤の15310~15330円の水準に戻って前引は15314円だった。
後場はほぼ前引水準で始まるがすぐ15300円を割り込み下落の一途。為替は円高方向。午後0時48分に15278円まで下げた後は15280~15300円で小動きする。それでも2時前に為替が円安方向に変わり、15300円を突破して2時30分頃には15330円付近まで上昇するが、15分ほどで15300円割れまで押し下げられる。終盤15300円前後で、終値は41.88円高の15308.49円と反発。日中値幅は67円と小さかった。TOPIXも+2.60の1263.43と反発。売買高は19億株、売買代金は1兆7340億円。27日に950社以上が集中するピークを迎える株主総会が終わるまで売買を手控える動きで商いは薄くなった。
値上がり銘柄は863、値下がり銘柄は746で値動きなしが全体の11%の203もあったのはやはり様子見ムードの反映か。値上がりセクターは21、値下がりセクターは12。プラス上位は金属製品、電気・ガス、情報・通信、サービス、非鉄金属、建設など。マイナス下位はゴム製品、ガラス・土石、繊維、石油・石炭、その他製品、化学工業などだった。
日経平均採用225種は値上がり122銘柄、値下がり82銘柄、値動きなし21銘柄。プラス寄与度1位はKDDI<9433>で+12円、2位はファーストリテイリング<9983>で+9円。マイナス寄与度1位はキヤノン<7751>で-4円、2位は東京エレクトロン<8035>で-3円だった。
メガバンクはみずほ<8411>2円高、三菱UFJ<8306>値動きなし、三井住友FG<8316>14円高。野村HD<8604>は1円安。ノンバンクのアイフル<8515>は売買高、売買代金とも1位。39円高で年初来高値を更新し値上がり率13位。燃料電池車(FCV)の年度内発売を発表したトヨタ<7203>は49円高。しかし2015年にFCVの一般販売開始を目指すホンダ<7267>は2円安。FCVは早くても2017年発売を見込む日産<7201>は値動きなしだった。
富士通<6702>は三菱UFJ証券が目標株価を引き上げ27円高で年初来高値更新。5月のパソコンの販売も、携帯電話の4月、5月の販売も好調と伝わり不安要素が後退した。ソニー<6758>、シャープ<6753>とともにパナソニック<6752>も値動きなしだったが、株主総会で午前、増資について言及して急落する一幕があった。ケータイ、スマホがあれば総会会場からでも売買注文は可能。NEC<6701>はスマホ事業撤退を評価してS&Pが長期格付けを引き上げたが2円安。シニア仕様の白物家電を開発という話題があった日立<6501>は8円高、三菱電機<6503>は6円安だった。
クラリオン<6796>は25円高で年初来高値を更新し値上がり率5位、売買高11位。グーグルのOS「アンドロンド・オート」にからむ関連銘柄物色。それと直接関係はないが14円高で値上がり率17位のJUKI<6440>は、居眠り運転警告装置「スリープバスター」とその運行管理ソフトが国土交通省の事故防止対策推進支援事業の導入支援補助金対象製品に選ばれたと発表していた。
KDDIは161円高と大幅上昇し売買代金11位。通話定額の新料金プラン「カケホとデジラ」を8月13日から開始するが、その業績への影響について田中孝司社長は前日、「織り込み済み」と話してマーケットに安心感を与えていた。
この日は電力各社の株主総会が開催されたが大きな混乱はなく、電気・ガスセクターは業種別2位と堅調。東京電力<9501>は日本ガイシ<5333>とともに大型の蓄電設備を開発して英国での電力取引に参入すると報じられ2円高。日本ガイシは28円高で年初来高値更新。福島第一原発周辺の除染関連銘柄として人気化したJBR<2453>は9月期本決算で最終赤字が継続する見通しで6円安。待遇を良くしても現地で除染の人手が集まらず採算が悪化しているという。
切削工具のNaITO<7624>は3~5月期の経常利益が6.1倍の2.1億円に急拡大し、その8月中間期の見通しを上方修正して4円高。工業用接着剤のリンテック<7966>は4~6月期の営業利益が2割増の40億円弱という業績観測が出て35円高。ゼネコンの戸田建設<1860>は800万株、30億円上限の自社株買いを発表。32円高で年初来高値を更新し値上がり率7位に入った。