筆者は現在30代だが、これくらいの年齢になってくると、それまではあまり気にならなかった「お腹まわりの肉」が目につきはじめてくる。特別不摂生な生活をしている自覚はないのだが、10年前と比べると体重は10キロ以上増えており、その原因はやはりその「いつの間にかついてしまった肉」なのだろう。ただ単に体重が増えるだけならそれほど気にはならないのだが、心配なのは生活習慣病だ。こうして体重が増えているということは、運動不足、食事の偏り、過度な飲酒など何かしら理由があるからで、それらの生活習慣は脳卒中などの病気を引き起こす原因ともなる。
そうした生活習慣病を予防するために、厚生労働省では特定健康診査(いわゆるメタボ健診)が行われている。そして4日に厚生労働省が発表した「特定健康診査・特定保健指導の実施状況」によれば、2012年度にメタボ健診を受けた人の数は2440万人であり、それは全対象者約5281万人の46.2%にあたることが分かった。健診を受けた人の数は11年度よりも1.5ポイントアップしたが、厚生労働省は17年度時点で70%の健診を目標としており、それにはまだまだ及ばない数値だ。そのため厚生労働省は、生活習慣病の予防による医療費の削減に向けて、健康保険などに健診や指導の徹底を求めるとしている。
12年度の対象者は約5281万人で、健診を受けた人の数は2440万人。このうち健診の結果、心筋梗塞や脳卒中になる可能性が高いとされているメタボリック症候群、またメタボリック予備軍と判定された人の数は約432万人であった。そして判定 された結果、実際に指導を受けた人の数は約1万人であった。
またメタボ健診の実施率を保険の種類別に見てみると、公務員が加入する共済組合が72.7%、大企業の社員の健康保険組合が70.1%、中小企業の社員の全国健康保険協会(協会けんぽ)が39.9%という結果であり、大企業の健康保険組合が一番高かった。そして非正規社員や無職者も多い国民健康保険は、33.7%という結果であった。
このメタボ健診は40~47歳を対象としており、男性の場合、腹囲85センチメートルを超え、また血圧や血糖値などが基準値を超えるとメタボリック症候群と判定する。筆者の腹囲は現在基準を上回ってはいないが、用心するにこしたことはない。対象年齢となった際には、一度このメタボ健診を受けてみようと思う。(編集担当:滝川幸平)