なくならないパワハラで労災申請が過去最多

2014年07月13日 20:44

画像・なくならないパワハラで労災申請が過去最多

精神疾患による労災申請が過去最多数を更新した。2013年度の申請数は1,409人に上り、実際に認定されたのは、436人。このうち、63人が自殺や自殺未遂をしている。パワハラに関する問題は特に深刻で、労働局などに寄せられる相談件数の割合は10年間で3倍にも膨れ上がっている。

 仕事場でのいじめや、過重な労働を強いられるなどして精神疾患にかかったことを理由とする労災申請が、2013年度で過去最多の1,409人に上った。実際に認定されたのは、12年度より39人減少して436人。このうち63人が自殺や自殺未遂をしている。

 厚生労働省は労災申請の数を毎年集計しているが、精神疾患を理由とする労災申請は、年々増加の一途をたどっており、依然として労働環境の改善が進まない現状が伺える。国は事態を重く受け止めて、対策の一環として6月20日に「過労死等防止対策推進法」を成立させた。過労死のない社会実現に向けて、国が対策の責任を負うとし、地方公共団体や事業主にも、責務を定めている。過労死抑止を目的とする民間団体を支援しながら、過労死の実態調査や情報収集を努める。

 精神疾患にかかったことで労災に認定された人のうち、原因として多かったのが、過労とパワーハラスメントだ。過労が55人、パワハラによる「嫌がらせやいじめ」も55人が認定されている。他には、セクシュアルハラスメントが28人、上司とのトラブルは17人だった。年齢別に見た場合、161人の30代が一番多く、続いて40代、20代となっている。業種別では介護や医療関係の仕事に携わる人が多い傾向にある。厚生労働省は、仕事でストレスを抱える人が増加していることを認めた上で、職場や仕事を原因として精神疾患にかかった場合、労災認定の対象となるということが労働者側に広く認識されたことも、労災申請の数を多くしていると分析している。

 厚生労働省が全国の企業を対象に12年に行った調査によると、過去3年間に「パワーハラスメントを受けたことがある」と回答した人は25.3%、「パワーハラスメントを見たり、相談を受けたことがある」とした人は28.2%にも及んでいることが分かった。具体的なパワハラの内容としては、大勢の前で人格を否定する暴言を吐かれるなどの「精神的な攻撃」が55.6%と最も多く、次いで過剰な仕事を強要する「過大要求」、無視や仲間外れを行う「人間関係からの切り離し」が多く挙げられている。都道府県の労働局等に寄せられる相談内容の中でも、パワハラに関する相談件数は、年々増加している。相談の割合は、02年から12年の間で3倍以上にも膨れ上がっているという状況で、解決のきざしは残念ながらまだないようだ。迅速な対策が望まれる。(編集担当:久保田雄城)