今どき30代共働き世帯の夫は、完璧にはできないけれど家事参加意欲は旺盛な「チョイカジパパ」。そんな実態が旭化成ホームズ株式会社の調査で明らかになった。
調査は今から25年前、1989年に発足した旭化成ホームズの「共働き家族研究所」によるもの。当時と比べ、共働きが多数派となった30代共働き夫婦の家事協力の実態を明らかにした。対象は旭化成ホームズの「ヘーベルハウス」居住者と、一般モニター。2012年末から今年3月にかけて計3回、インターネット調査で行われた。
25年前と現在を比較すると、フルタイム共働き世帯で夫の「家事参加」が進んでいる。25年前にはわずか1割強だった「夕食後の後片付け」は、現在は平日でも半数近くの夫が実施。「洗濯物を干す」夫も、1割から半数近くに増えた。「お風呂掃除」も、25年前の3割から、現在は55%の夫が実施するまでになった。
かつては「子供が急病になった時には妻が仕事を休む」という家庭が多かったが、今では妻がフルタイムで働く家庭の夫は「子供が病気の時には仕事を休む」が6割近くに上る。昔から、「子供の遊び相手になる」、「お風呂に入れる」などのいわゆる「楽しい育児」には積極的に参加する夫が多かったが、現代の共働き夫は「仕事を休んで病気の子供を迎えに行く」ような「大変な育児」にも積極的に参加している。
「家事参加率」は、30代の夫で大幅に増えている。30代共働き夫婦の夫のうち、3割以上は全般的に家事をこなす「スゴカジパパパ」。ただ、この世代は仕事も忙しく、最も多かったのは「チョイカジパパ」だった。育児と掃除には関わるが、調理や洗濯への関与度は低いタイプだ。こうした「チョイカジパパ」も、家事参加への意欲は高い。
同研究所によれば、中学校の「家庭科」が男女とも同じ扱いとなった1993年(高校は1994年)以降の世代で、夫の家事参加意識が大きく変わったという。この世代が今の30代。夫婦で平等な家事分担のあり方を模索しているところなのだろう。(編集担当:北条かや)