「夫は外・妻は家庭、どう思う?」に「分からない…」迷う日本の若者たち

2014年07月13日 11:32

政府は「女性活用」を成長戦略の柱と位置づけ、女性の就労支援に力を入れる。共働きが増加し、育児に積極的な男性も増えているといわれる。マイナビが15年卒の就活生を対象に行ったアンケートでは、「育休を取って積極的に子育てしたい」と考える文系男子が前年から5ポイント増え、44.1%となった。仕事も大切だが、できるだけ育児に関わりたいという男性は多い。
 
 一方、内閣府の調査では「夫は外、妻は家庭」に賛成する若者が増えている。この考えに賛成する人は1992年の調査開始から一貫して減り続けてきたが、2012年には初めて「賛成派(賛成+どちらかといえば賛成)」が増加した。特に20代男性では55.7%にのぼり、60~70代男性に次いで多くなっている。家事・育児に積極的な男性が増える一方で、昔ながらの性別役割分担を支持する男性も増えているのだ。このねじれを、どう捉えるべきか。

 興味深いデータがある。内閣府の「平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」で、「男は外で働き、女は家庭を守るべきだ」という考えに賛成か反対か尋ねたところ、日本の若者の4割が「分からない」と回答しているのだ。「分からない」の割合はアメリカの若者の3倍、韓国の5倍、フランスやスウェーデンの7倍近い。もちろんこの調査では、「賛成・反対・分からない」の3つしか選択肢が用意されていない。よって「分からない」を選ぶ若者が多くなることは予想できる。こうした点を考慮してもなお、諸外国と比べて日本の若者は「男は外で働き、女は家庭を守るべきかどうか」に「分からない」と答える割合がずば抜けて高いのだ。日本の若者は、男女の役割分担に対してはっきりした意見を持ちづらいとも解釈できる。

 現実には共働きが増え、男性も家事に参加しなければ「両立」は困難だ。だが日本の会社組織では、まだまだ上の世代を中心に「男性は仕事を優先すべき」との意識が根強い。マタハラならぬ「パタハラ」も横行している。育児には関わりたいが、現実には難しそう。でもやっぱり、家庭をおろそかにはできない。そのような迷いや不安を抱える若者は多い。だからこそ彼らは「夫は外、妻は家庭」という考えに対し「自分はこう思う」と、明確な立場を表明しづらいのかもしれない。(編集担当:北条かや)