3連休明けの7日のNYダウは44ドル安だが17000ドルの大台は維持した。NASDAQは34ポイント下落。ヨーロッパ市場が全面安で、3日に終値が初めて17000ドルを突破した達成感、4~6月期決算発表前の様子見もあり利益確定売りが先行したが、大台を割り込んでも一時的だった。メルクが1.15%下落し、アップルは2.06%上昇したがツイッターは2.66%下落、フェイスブックは1.51%下落。8日朝方の為替レートはアメリカの長期金利が再び低下してドル円が101円台後半、ユーロ円が138円台半ばで、前日よりも円高が進行していた。
取引時間前に5月の国際収支が発表され、貿易収支は6759億円の赤字、経常収支は4月から大きく伸びて5228億円の黒字だった。為替は反応薄。シカゴCME先物清算値は15310円。日経平均は75.17円安の15304.27円でTOPIXとともに下落で始まる。序盤は15300円も15250円も割り込み午前9時22分に15225円まで下げた。海外の株安、為替の円高を背景に主力銘柄の調整が入る「一服商状」で、大きな悪材料はないので15200円は割らず、ドル円が円安に反転すると10時台は徐々に値を戻して15300円台を回復。10時59分には15334円まで上昇し、前引けは15308円だった。
後場は15350円を上回って再開。午後0時44分に15389円まで上昇しTOPIXとともに一時プラスにタッチした。しかし1時台は15340円付近までジリジリ値を下げる。2時に6月の景気ウォッチャー調査の結果が発表され、現状判断DIは47.7で5月調査から2.6ポイント改善したが市場予測の48.9に届かず、先行き判断DIは53.3で5月調査から0.5ポイント低下し市場予測の54.5を下回った。前日公表の日銀の地域経済報告(さくらレポート)は「反動減、次第に和らぐ」と書いたが、街角景気のほうは反動減からの回復、いまだ道遠し。それでも日経平均はさほど反応せず、2時台は15320~15340円で推移しマイナス圏ながら底堅い。だがこの日も大引け前に押し下げられ、終値は65.03円安の15314.41円で続落。日中値幅は164円だった。TOPIXは-4.17の1275.70。中・小型株の商いが盛んだったので、売買高は23億株で20億株を超えたものの売買代金は1兆8565億円で2兆円に届かなかった。
上昇銘柄は787、下落銘柄は894で全体の49%を占めた。10業種が上昇し23業種が下落。プラスセクター上位は水産・農林、非鉄金属、空運、建設、医薬品、ガラス・土石など。マイナスセクター下位は保険、その他金融、証券、鉄鋼、ゴム製品、海運などだった。
日経平均採用225種は値上がり74銘柄、値下がり140銘柄。プラス寄与度1位はカシオ計算機<6952>で+4円、2位は東京エレクトロン<8035>で+3円。マイナス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で-14円、2位はソフトバンク<9984>で-11円。この両銘柄で下落幅の約4割を占めた。
メガバンクは三菱UFJ<8306>は値動きなしだったがみずほ<8411>は1円安、三井住友FG<8316>は21円安。野村HD<8604>は15円安と2%を超える下落で、大和証券G<8601>も15円安で証券セクターは悪かった。自動車大手はトヨタ<7203>39円安、ホンダ<7267>2円安、富士重工<7270>8円安の一方、日産<7201>は2円高、クレディスイスとメリルリンチが目標株価を引き上げたマツダ<7261>は売買高、売買代金とも5位と買われ8円高だった。ソニー<6758>は本社間接部門を対象に8月から早期退職を募集するリストラ材料が出たが12円安。インテルに家電向けLSI生産を委託するパナソニック<6752>は6円安、日立<6501>は3円安だったが、NEC<6701>は1円高、東芝<6502>は2円高。
カシオ計算機は109円高と大幅独歩高で年初来高値を更新し値上がり率7位。理由は100億円の転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行、最大125億円の自社株買いの同時発表で、「リキャップCB」と呼ばれる。自社株消却も行う。目的は「EPS、ROEの向上」とはっきりコメントし、8月末のJPX400の銘柄入れ替えも視野に入れているようだ。日本電産<6594>は決算発表が23日と早いためか後場にプラスに浮上し27円高。Vテクノロジー<7717>は製造コストを4分の1に抑えるタッチパネルの新技術を開発したと発表し75円高だった。
この日のテーマ物色の焦点は「電線メーカー」。沖電線<5815>は一時ストップ高の35円高で値上がり率1位、東京特殊電線<5807>は売買高4位で、一時ストップ高の19円高で値上がり率3位、昭和電線HD<5805>は売買高1位、売買代金9位で、9円高で値上がり率6位。以上3銘柄は年初来高値更新。タツタ電線<5809>も19円高。しかし電線地中化の政策ではセットで買われる電気工事関連はあまり反応せず、単なる短期資金の循環物色だった模様。それは売買高15位に入り53円高で年初来高値を更新し値上がり率4位だったセルロースナノファイバー関連の第一工業製薬<4461>も同様だろう。