菅義偉官房長官は15日、安倍晋三総理が諸般の事情が許せば25日から8月2日まで、メキシコ、トリニダード・トバゴ、コロンビア、チリ、ブラジルを外遊し、各国の首脳と会談する予定だと語った。経済を中心に互いの地域情勢や国際社会の課題について幅広い意見交換を行い、協力・連携を深めたいとしている。
一方で、安倍総理持論の「積極的平和外交」とともに集団的自衛権の行使容認閣議決定の基本的方針をアピールし、秋の臨時国会に向けた、外堀から野党の攻撃をかわす狙いもありそう。外遊先では評価や理解を得たとの説明は国会論戦や党首討論をかわす材料にはなる。
集団的自衛権の行使容認については衆参予算委員会で14日と15日の各1日ずつ、論戦があったが、国民の理解を得るには程遠い答弁で終わった。世論が二分している問題を、すでに決定なったような論調で説明するのは避けるべき。国会で議論を続ける旨を伝えるにとどめて頂きたいものだ。
菅官房長官は今回の総理訪問について「メキシコは10年ぶり、トリニダード・トバゴ、コロンビアは初めて、チリは18年ぶり、ブラジルは10年ぶりの訪問になる。トブラジル・サンパウロ市においては安倍総理による対中南米政策スピーチを行う予定で、中南米地域はグローバルな製造拠点、成長市場、資源供給源として、日本経済における重要性が増大している。また、自由、民主主義、法の支配等、基本的価値を共有し、国際社会の平和と繁栄のために共に貢献する重要なパートナー」とし「訪問を通じて、各国との関係を一層強化し、互いの地域情勢や国際社会の課題について幅広い意見交換を行い、協力・連携を深めたい」とした。(編集担当:森高龍二)