カゴメ、14年12月業績予想を24%減に下方修正

2014年07月22日 07:59

 あの3月下旬にスーパーマーケットなどで見受けられた消費税増税前の駆け込み需要の様子で一番印象に残っているのが、買い物カゴ一杯に詰め込まれた食料だ。あの様子を思い出すにつけ、今なお食品業界に反動減の影響が色濃く残っているのも無理もないかもしれないなどと思ってしまう。各企業その影響の大きさは様々だが、しかしまだなおその影響から完全に抜け出せたところはないのではないだろうか。

 そして18日、食品、飲料、調味料の大手カゴメ<2811>が2014年12月の連結業績予想を従来の33億円から24%減額して25億円に下方修正するとの発表を行った。そうして下方修正を行う背景には、他社との競争の激化と、そして消費税増税前の駆け込み需要に伴う反動減がある。

 カゴメは消費税増税前の駆け込み需要に伴う反動減が予想よりも上回ったこと、また他社の特定保健用食品(トクホ)の飲料製品などの台頭により、主力であるトマトジュースなどの野菜飲料の販売が大きく減少したことなどを受けて、14年12月期の連結業績予想を下方修正した。最終利益は当初の見込みの33億円から24%減額し25億円、また売上高は1670億円から3%減額して1620億円にそれぞれ引き下げた。配当は従来の予想通り16.5円に据え置くとしている。

 反動減による落ち込みが予想よりも大きかったこと、そして売上の半分を占める野菜飲料の4~6月の販売が前年同期を10%以上下回ったことなどが大きく影響した模様。他社が特定保健用食品の飲料の新商品を次々と発売したことにより、同じターゲット層である健康に対する意識の高い顧客が奪われ、野菜飲料の販売が減少した。しかしこうした事態を受けてカゴメは、来月8月にも国産トマトだけで製造した「トマトジュースプレミム」を発売し、顧客奪還を図るとしている。

 なおカゴメは、14年6月の株主総会での承認を受けて、今期から決算期を3月期から12月期に変更している。そのため今回の業績予測の金額は4~12月の累計となっている。(編集担当:滝川幸平)