「釣った魚にえさはやらない」は今や女性の言葉?

2014年07月27日 11:16

 30、40代男性が妻から受けるプレッシャーは、上司から受けるプレッシャーを上回る重圧であると感じている人が多いことがわかった。また、結婚当初に相手に対して使っていた金額と現在使っている金額を比べたところ、20、30代の女性で減少幅がもっとも大きく、「釣った魚にえさはやらない」という言葉は今や女性の言葉になっていることもわかる。株式会社アサツー ディ・ケイ(ADK)が行った「日本人の平均調査」でわかった。

 調査は平均的な日本人像を調べることを目的にライフサイクルやお金、自分・家族の評価、人付き合い、余暇・旅行、カラダなど多くの視点について調べ、平均値を算出したもの。2006年、11年に続き、今回で3回目。

 配偶者の心理的プレッシャーを感覚的な重さ(kg)に置き換えて回答してもらったところ、夫が妻から感じるプレッシャーの平均は85.0kg、妻が夫から感じるプレッシャーの平均は47.7kgと、夫が妻から感じるプレッシャーには2倍近い開きがあった。

 年代別にみると、男性30、40代では特にこの傾向が強く、30代男性103.6kg、40代男性108.5kgと100kgを越えていた。これは「会社の上司からのプレッシャー」の30代男性84.6kg、40代男性108.4kgを上回っており、夫が妻から感じるプレッシャーが非常に大きいことがわかる。

 夫婦喧嘩の頻度の平均は全体で84.7日に1回で、およそ3ヶ月に1度となる。男女別では、男性平均は95.8日、女性は74.9日に1回で、男女の回答が一致していない。その理由としては、男性が気付かないところで、妻が夫に対して腹を立てていることが多いのではないかと調査では分析している。

 結婚当初に配偶者のために使っていた金額を100点として、現在使っている金額は何点か聞いたところ、20、30代女性でもっとも落ち込みが大きく、20代女性50.8点、30代女性54.4点と半減していた。この数字から見ると、家計を預かる身となった女性が財布の紐を引き締めているともみえるが、調査結果では「釣った魚にえさはやらないはすでに女性の言葉」と分析している。

 一方で自分の価値と、配偶者の価値を金額換算したものとを比較すると、男性では自分の価値が1億9,771万円に対して配偶者は2億2,662万円。女性では自分の価値が1億2,878万円に対して配偶者は2億2,138万円と、男性、女性いずれも自分よりも配偶者の価値を高く評価した。特に女性は、夫の価値を、自分の価値プラス約1億円としており、夫の価値を高く評価する傾向にあった。

 30、40代といえば、仕事がもっとも盛んになる時期だが、世の男性がそれほど妻のプレッシャーに耐えているともなればなんとも気の毒なことだ。一方で、配偶者の価値換算では、妻が自らの価値をかなり低く見積もっているのも気になるところ。改正男女雇用機会均等法が施行され、政府は女性の活用を掲げるが、実際にはまだまだ女性が家庭と同程度に社会で活躍するのが当たり前、とまで機が熟していないということなのか。(編集担当:横井楓)