前週末18日のNYダウは123ドル高で17100台ドルまで反発し、NASDAQは68ポイント上昇。地政学的リスクをもう忘れたかのような回復ぶり。遺族の悲しみをよそに、「出来事」を置き去りにして地球は回り、時は刻まれてゆく。週明け21日のNYダウは48ドル安、NASDAQ総合指数は7ポイント下落。ロシアと欧米の対立は深まるばかりで、イスラエル軍はガザで軍事作戦継続中。地政学的リスク懸念が再発して一時17000ドルを割るが、終値では回復。22日朝方の為替レートはドル円が101円台前半、ユーロ円が137円台前半で、円高基調がなお続く。
日経平均は80.71円高の15296.42円と18日時点で15273円の25日移動平均線をあっさり突破して始まる。すぐに15300円台に乗せ、TOPIXは1270台に乗せる。午前9時台前半に15300円を一時割り込む局面もあったが、10時台は徐々に値を切り上げる。10時45分頃から一気に15370円付近まで上昇し、前引けは15362円だった。
昼休みに政府の経済財政諮問会議で2014年度の実質GDP見通しを+1.4%から+1.2%に下方修正したと伝えられたが、為替レートの円高が一服し若干円安に戻したこともあり東京市場は後場入り早々に15392円の高値をつける。しかし15400円突破はならず、おおむね15350~15370円の小幅の値動きに。内閣府が5月の景気動向指数の改定値を発表し、一致指数は速報値の横ばいから+0.2ポイントに上方修正。景気の基調判断は「足踏みを示している」のまま。先行指数は-1.7ポイント。午後2時30分を回ると利益確定売りが入ったらしく下落し15350円を割り込むが、終値は18日時点の5日移動平均線15331円をオーバーし、127.57円高の15343.28円と4日ぶりに反発した。日中値幅は105円。TOPIXは+9.98の1273.27だった。中・小型株の商いが活発で売買高は23億株ながら売買代金は1兆7970億円だった。
プラスセクター上位は鉄鋼、非鉄金属、その他製造、建設、ガラス・土石、保険など。プラスセクター下位は証券、電気・ガスなど。マイナスのセクターは海運、ゴム製品、その他金融、不動産だった。
週明け22日のNYダウは61ドル高と反発。NASDAQも31ポイント上昇した。6月の消費者物価指数は0.3%上昇でインフレ懸念で利上げが早まるほどではなく、中古住宅販売件数は2.6%増で市場予測を上回った。23日朝方の為替レートはドル円が101円台半ば、ユーロ円が136円台後半で、ドル安は一服しても、EUとロシアの対立を背景にユーロは安くなっていた。
日経平均は23.88円高の15367.16円で始まる。TOPIXもプラスでスタート。午前9時30分を回ると一時マイナスになり15341円まで下げ、その後も何度かマイナスに沈む時間があったが、おおむね前日終値と15364円の間、+0~+20円のレンジで動く。上海、香港などアジア市場が堅調でも東京市場は小幅高のままで、前引けは15344円でわずか1円余りのプラス。前場の値幅は38円しかなかった。
後場は小幅高で再開するがすぐマイナスに落ち、午後0時36分に15327円をつけて安値を更新したがそれでも15円安。1時台にプラスに浮上する時間帯もあったが、前場と反対に15330円と前日終値の間の-0円~-15円の小幅安がずっと続く。大引け後の日本電産<6594>の決算や、翌日の中国のHSBCのPMI発表、ファナック<6954>や信越化学<4063>の決算を控えての様子見ムードで値動きは鈍く売買低調。終盤になると少し値を切り下げるが15317円どまりで、終値は14.72円安の15328.56円と小幅反落した。日中値幅は後場拡大したが59円。TOPIXは-0.88の1272.39。売買高は17億株、売買代金は1兆4778億円で薄商いに終始した。
値上がり上位はガラス・土石、保険、卸売、化学工業、機械、電気機器など。変わらずは非鉄金属。値下がり下位はその他金融、情報・通信、証券、金属製品、ゴム製品、電気・ガスなどだった。
23日のNYダウは26ドル安と反落したが、S&P500は過去最高値更新でNASDAQは17ポイント上昇した。ウクライナ軍機2機が親ロシア派の対空ミサイルで撃墜されるなど地政学的リスクが再燃して上値を抑えた。しかしおおむね好調な主要企業決算に支えられ底堅い。24日朝方の為替レートはドル円が101円台半ば、ユーロ円が136円台後半で円高基調が続いていた。