仕入れ先であった中国の食肉加工会社「上海福喜食品」が、使用期限切れの鶏肉を使っていた問題を受けて、日本マクドナルド<2702>は25日、「チキンマックナゲット」など中国製の鶏肉商品の調達と販売を中止するとの発表を行った。中国製鶏肉商品に対する消費者の不安の声に対応し、今回の措置を決定した。
日本マクドナルドは、25日の午後3時より国内にある全店舗3100店に対して、中国製鶏肉商品の販売を中止するように通告。同社の発表によれば、中国製鶏肉を使用していた商品は、「チキンマックナゲット」「チキンクリスプ」「チキンエッグマフィン」「チキンフィレオ」などの7商品で、今月30日より販売が開始される「チキンタツタ」にも中国製鶏肉が使われる予定であったが、今回の問題を受けて消費者の間で中国製鶏肉への不安が高まっていることから調達を中止し、これらの鶏肉商品については今後、中国製ではなくタイ製の鶏肉を使用するとしている。
これまで日本マクドナルドは鶏肉製品の輸入を、中国とタイから行っていた。2013年の鶏肉製品の総輸入量は4万4916トンであり、このうち中国からの輸入は全体の38%にあたる1万6925トンであった。
タイからの輸入はマッキータイランドとカーギルタイランドの2社から行っており、今回中国製鶏肉の調達を中止した分については、この2社との取引を拡大させて補てんするとしている。
今回の中国製鶏肉の調達・販売中止の発表に際して、日本マクドナルドのサラ・カサノバ社長は、「マクドナルドの中国製チキン商品に対するご懸念が高まっていることを受け、この決定をいたしました」とのコメントを発表している。また、「店舗によって在庫状況が異なるため、多くの店舗でチキン商品の品切れが発生する可能性がある」としているが、今回の調達中止によりどの店舗で品切れとなるか、またどの程度の期間品切れとなるかについては把握されていない。
日本マクドナルド以外にも、22日にファミリーマート<8028>が「上海福喜食品」から仕入れていた鶏肉商品の販売を中止するなど、今回の問題の余波は拡大の一途を辿っている。(編集担当:滝川幸平)