オークマ<6103>は前日大引け後に4~6月期決算を発表。経常利益は3.1%増だが4~9月中間期見通しに対する進捗率が24.4%にとどまり69円安で値下がり率16位。ナブテスコ<6268>は4~9月中間期の営業利益見通しを7億円上方修正して64円高。産業用ロボットの精密減速機が好調に推移する見通し。ミネベア<6479>の4~6月期の純利益は25%増で通期業績見通しも上方修正して24円高。年間配当も2円増配する。
シェールガス関連の明星工業<1976>は純利益70%増など2ケタ増収増益の4~6月期決算と最大150万株、9.6億円規模の自社株買いを発表し、52円高で年初来高値を更新し値上がり率11位。旭硝子<5201>は1~6月中間期決算を発表。売上高は3.2%増だったが営業利益は32.7%減で計画未達。通期見通しを売上高は500億円、営業利益は100億円、純利益は50億円それぞれ下方修正して24.6円安と売られた。4~6月期は消費増税後の反動減の影響をもろに受け2ケタ減益のワコールHD <3591>は31円安。
住友化学<4005>の4~6月期決算の純利益は81%増だったが10円安。三井化学<4183>は後場に4~6月期決算を発表し、営業利益は12%増で市場予測を上回り、4~9月中間期の営業利益を40億円、経常利益を30億円、純利益を30億円それぞれ上方修正して売買高15位に入り6円高で年初来高値を更新した。旭化成<3407>は後場発表した4~6月期の営業利益が5.9%減益で11.6円安。日東電工の4~6月期決算は、営業利益が11%増益で市場予測を上回り想定を超える好決算で189円高。4~9月中間期の営業利益見通しを50億円上方修正した。
アステラス製薬<4503>が後場発表した4~6月期決算は営業利益が91.5%の大幅増益。505億円は市場予測とほぼ同じだったが17円安。後場に4~6月期決算を発表した塩野義製薬<4507>は減収減益。営業利益は33.6%減の80億円で市場予測を大きく下回り26円安だった。殺虫剤のアース製薬<4985>は民事再生手続き中の「アイスノン」の白元の再建スポンサーに選ばれたが5円安。ライバルの老舗を立ち直らせる。
日本ハム<2282>は4~6月期決算の純利益が2.1倍と好調で139円高で年初来高値を更新し値上がり率17位。資生堂<4911>の4~6月期決算の経常利益は81%減、最終損益は17.8億円の赤字転落で100円安。ボーナスを増額して人件費負担が重くなったためだといい、社員は喜んでいいのか、悲しんでいいのかわからず「複雑な表情」か? ヤマハ の4~6月期決算は6.9%の経常減益。4~9月中間期の経常利益も7%下方修正して44円安だった。
ジェイコムHD<2462>は東京建物<8804>と、サービス付き高齢者向け住宅の介護サービスなどでの業務提携を締結して5円高。東京建物は値動きなし。港湾荷役やプラント・物流事業を手がける宇徳<9358>は4~9月期の売上高が15.0%増、営業利益が77.5%増と大幅な増収増益で、4~9月中間期見通しを売上高は10億円、営業利益は5億円、純利益は4億円それぞれ上方修正。通期業績見通しも同額を上方修正して39円高と買われ、年初来高値を更新し値上がり率9位に入った。
スカイマーク<9204>は4~6月期の単独決算短信に経営の先行きに問題があることを示す「継続企業の前提に関する注記」をつけ、22円安で年初来安値を更新し値下がり率6位。これは水素関連で今をときめく三菱化工機<6331>もつけている。決算のほうはLCCに押されて売上高が1.5%減で、最終損益の赤字幅が12億円から57億円に拡大した。個人情報漏洩事件の渦中のベネッセHD<9783>の4~6月期決算は最終損益が前年同期の26億円の黒字から136億円の赤字に転落して90円安。再発防止の顧客対策や情報セキュリティー対策の費用260億円を特別損失として計上したため。事件の影響を合理的に見積もるのは困難とし、通期業績見通しを原田泳幸社長の古巣で中国鶏肉問題の渦中の日本マクドナルドHD<2702>と同様「未定」とした。副会長とCIO(最高情報責任者)の辞任も発表している。
セコム<9735>はビッグデータ解析で災害時に通行止めになる道路と迂回路を予測し運送会社などへ情報提供する事業を始めると報じられ31円高。子会社のパスコ<9232>が8月1日から受注を始める。NKSJHD<8630>傘下の損害保険ジャパンと綜合警備保障(ALSOK)<2331>は1日付で介護や保険契約者サービスなどでの包括的な業務提携を結び、NKSJHDは52.5円安、ALSOKは152円の大幅高だった。
ゲーム・コンテンツ関連ではコロプラ<3668>は続伸し135円高で売買代金1位。ヤフー<4689>は4~6月期決算の純利益が保有株の評価益が増加して7%増だったが、売買高4位ながら31円安で値下がり率18位だった。
新興市場は特定銘柄に買いが集中して日経ジャスダック平均は0.59%下落、東証マザーズ指数は0.82%下落。集中したのは売買代金1737億円、310円高で年初来高値を更新したミクシィ<2121>と、売買代金1009億円、185円高で上場来高値を更新したサイバーダイン<7779>で、その売買代金は東証1部1位のコロプラの643億円、2位のソフトバンクの518億円よりも多かった。
この日の主役はソニー。前日大引け後に4~6月期決算を発表し、売上高及び営業収入は5.8%増、営業利益は約2倍の96.7%増、最終利益は約8.5倍の757.3%増でポジティブサプライズ。最終利益大幅増に寄与した不動産売却益の効果もさることながら、本気でコストダウンに取り組めば営業利益倍増の成果を出すところも「さすがはソニー」と見直されて売買高13位、売買代金3位に入り83円、+4.68%の大幅逆行高だった。
増収に貢献したのはゲーム&ネットワークサービス(G&NS)部門の「プレイステーション4」のハード売上およびネットワークサービス収入と映画分野の劇場興行収入で、G&NS分野の売上高は95.7%増とほぼ倍増した。4月に売却したスクエニHD<9684>株の投資有価証券売却益48億円も利益に貢献した。通期見通しは据え置き。好決算を見れば、ソニーがJPX日経400採用銘柄から外されるのがもったいなく思えてくる。(編集担当:寺尾淳)