島津製作所<7701>は4~6月期の営業利益が31%増でも83円安で値下がり率11位。ディスコ<6146>は4~6月期の純利益が40億円と過去最高でもJPモルガンが目標株価を引き下げ390円安。三菱重工<7011>は「ボーイング787」の増産に対応するため2工場の設備を増強すると報じられたが20.6円安。中国で建機販売が5ヵ月連続で減少したコマツ<6301>は52円安だった。
大幅安の地合いに踏まれてもなでしこの花のようにプラスを維持した熊谷組<1861>は12円高、鉄建<1815>は10円高。戸田建設<1860>は通期の営業利益見通しを15億円上方修正。コスト管理の徹底で工事採算が改善し40円高で年初来高値を更新し値上がり率2位に入った。安藤ハザマ<1719>は後場に4~6月期決算を発表し、営業利益は約3.9倍、経常利益は約2.7倍だが純利益は91.6%減で結局値動きなし。不動テトラ<1813>は工事採算が改善し4~9月中間期と通期の業績見通しを上方修正したが1円安。宮地エンジニアリング<3431>は4~6月期決算が2ケタ減益で8円安。工事損失引当金の計上が響いた。
長谷工<1808>はコストを工事代金に転嫁でき4~6月期の経常利益が71%増益で前場は高かったが1円安。大和ハウス工業<1925>は後場に4~6月期決算を発表し、営業利益16.5%増、経常利益16.9%増、純利益65.1%と非常に好調だったが41円安。
住友金属鉱山<5713>は4~9月期の純利益見通しを上方修正したが118円安。非鉄金属セクターは業種別で最下位だった。住友ゴム<5110>は原材料安と円安で1~6月期の純利益が過去最高だったものの8円安。
富士フイルム<4901>は123円安だが序盤は140円高まで買われ年初来高値を更新していた。売買代金5位。傘下の富山化学が開発したインフルエンザ治療薬「ファビピラビル」がエボラ出血熱に効くらしいとアメリカのFDA(連邦食品医薬品局)が乗り気で、9月にサルで実験し、効果が確認されれば人命最優先で中間の手続を省略し人間の患者に投与するという。もし日本の厚生労働省だったら……と想像するのはやめておこう。「ファビピラビル(アビガン錠)」は3月に承認されたがややこしい条件をつけられ事実上、投与できない薬になっている。大塚HD<4578>は後場4~6月期決算を発表し、売上高19.4%、営業利益29.7%、経常利益22.3%、純利益14.0%の堂々たる2ケタ増収増益でも71円安。こんな日に当たって不幸だった。
ユニ・チャーム<8113>は後場に好決算の発表とともに増配、株式分割、自社株買いと株主還元をてんこ盛りにし、そこまでやれば19円高。三菱商事<8058>と三井物産<8031>は前日、アメリカ、フランスの企業や日本郵船<9101>と共同で進めている北米産シェールガスをLNGに精製して対日輸出するルイジアナ州の「キャメロン」プロジェクトへの投資を最終決定したと発表した。総事業費100億ドルで2018年生産開始を目指す。三菱商事は71円安、三井物産は35.5円安、日本郵船は6円安。東京海上HD<8766>は後場に4~6月期決算を発表し、経常利益37.4%増、最終利益56.4%増だったが73.5円安。前日発表すれば大幅高だったかもしれない。
ゲーム「ラブライブ!」が好調なKlab<3656>は1~6月中間期の営業利益見通しを2.16億円から6.96億円に上方修正し売買代金4位に入りながら90円安。ヤフー<4689>は顧客管理システムのシナジーマーケティング<3859>をTOBで買収し完全子会社化を目指すと発表して14円安。上場廃止になる予定のシナジーはストップ高比例配分の150円高だった。
新興市場は日経ジャスダック平均が1.32%下落。東証マザーズ指数は日経平均よりも大きい3.42%の下落だった。それでも日本マイクロニクス<6871>は10円高、DMP<3652>は一時ストップ高の159円高で年初来高値更新、ゲーム関連のクルーズ<2138>も5円高と元気に逆行高していた。
この日の話題は「JPX日経400」の定期銘柄入れ替え。前日大引け後に最初の入れ替えが発表され400銘柄中31銘柄が入れ替わった。予想されていたとはいえソニー<6758>のような「大物除外」がある一方、かつて東証特定銘柄、指定銘柄の〃エリート〃だった「旧・松下電産」パナソニック<6752>が新規採用された。有力視されながら採用されなかったコロプラ<3668>は170円安。栄枯盛衰が激しいゲーム関連銘柄の採用には二の足を踏んだのか? 「利益の100%株主還元」を公言したアマダ<6113>も今回は採用されなかった。
除外候補に入っても除外を免れたTDK<6702>、日本電気硝子<5214>はどちらも日経平均採用銘柄で、除外されれば影響が日経平均に及ぶ可能性があった。コーナン商事<7516>、ワタミ<7522>、ゼンショーHD<7550>のような「社会部ネタ」でメディアを騒がせた銘柄も容赦なく除外。しかし真冬の〃善行〃報われず山崎製パン<2212>も除外されて「陰徳陰報」。29日にJPX日経400指数は新しく入れ替わって算出される。(編集担当:寺尾淳)