今週、8月第3週(11~15日)は5日間の取引。15日は69回目の終戦記念日。全社一斉の夏休みになる企業が多いが、お盆(旧盆)でも証券取引所は通常通り開く。国内投資家の売買が細っても仏教徒以外の外国人投資家には無関係。
世界の主要国の株式市場の休場は、タイでは11日が軍事政権が観光促進のために7月に急きょ決めた休日で、12日が「シリキット王妃の誕生日(母の日)」で、土・日と合わせて4連休。15日はイタリアが聖母マリアの命日の「聖母被昇天の日」で休場。インドが「独立記念日」で休場。韓国が「光復節(独立記念日)」で休場する。
国内の経済指標は、何と言っても13日の4~6月期のGDP発表が最重要。速報値だが、数値が悪ければ9月の安倍内閣の改造人事の前に久々に景気対策が講じられる可能性や、2015年10月の税率10%への消費増税が延期される可能性までささやかれている。
11日は6月の第三次産業活動指数、7月のマネーストック、消費動向調査、工作機械受注速報値、12日は7月の国内企業物価指数、6月の鉱工業生産指数確報値、設備稼働率指数、13日は4~6月期国内総生産(GDP)速報値、14日は6月の機械受注、7月の首都圏新規マンション販売動向が、それぞれ発表される。
11日は気象庁からエルニーニョ監視速報が発表される。冷夏の心配はもうなくなったが、今度はエルニーニョで暖冬になる心配がある。13日に、7月14、15日に開かれた日銀の金融政策決定会合の議事要旨が発表される。
主要企業の決算発表は、3月期決算銘柄の4~6月期(第1四半期)決算発表がフィナーレを迎える。東証では上場企業に決算を締めたら翌々月15日までに決算内容を公表するように促している。今週の新規IPOはない。
11日は日揮<1963>、飯田GHD<3291>、日医工<4541>、サニックス<4651>、荏原<6361>、近鉄<9041>、MUTOH-HD<7999>、ハピネット<7552>、スタジオアリス<2305>、上組<9364>、東洋ゴム工業<5105>、東京計器<7721>、ショーボンドHD<1414>、日本コンクリート工業<5269>、石川製作所<6208>、大豊建設<1822>、12日は電通<4324>、トレンドマイクロ<4704>、マブチモーター<6592>、セイコーHD<8050>、Klab<3656>、東映<9605>、マツモトキヨシHD<3088>、ニプロ<8086>、ディー・エル・イー<3686>、大幸薬品<4574>、木村化工機<6378>、リプロセル<4978>、テーオーシー<8841>、UBIC<2158>、ペプチドリーム<4587>、アサツーDK<9747>、大平洋金属<5541>。
13日はグリー<3632>、アイフル<8515>、ユーグレナ<2931>、そーせいG<4565>、フィスコ<3807>、サイボウズ<4776>、デジタルガレージ<4819>、Jトラスト<8508>、比較ドットコム<2477>、リブセンス<6054>、JBR<2453>、ファンケル<4921>、新日本科学<2395>、学研HD<9470>、14日はネクソン<3659>、東燃ゼネラル石油<5012>、サイバーダイン<7779>、カイオムバイオ<4583>、DDS<3782>、省電舎<1711>、ボルテージ<3639>、エンバイオHD<6092>、ラサ工業<4022>、15日はOATアグリオ<4979>。
海外の経済指標は、12日のドイツのZEW景況感指数、14日のドイツとユーロ圏の4~6月GDPが重要。ウクライナ問題やロシアへの経済制裁がヨーロッパ経済にもたらす影響を確認できるため。
12日はドイツの8月のZEW景況感指数、アメリカの7月の財政収支、13日は中国の7月の都市部固定資産投資、小売売上高、鉱工業生産指数、不動産投資、フランスの7月の消費者物価指数(CPI)、英国の7月の失業率、ユーロ圏の6月の鉱工業生産指数、アメリカの7月の小売売上高、14日はフランス、ドイツの4~6月期の国内総生産(GDP)速報値、ユーロ圏の4~6月期の域内総生産(GDP)速報値、7月の消費者物価指数(CPI)確報値、アメリカの7月の輸入物価、15日は英国、香港、台湾、マレーシアの4~6月期の国内総生産(GDP)速報値、アメリカの8月のNY連銀製造業景気指数、7月の生産者物価(PPI)、6月の対米証券投資、7月の鉱工業生産指数、設備稼働率、8月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値が、それぞれ発表される。なお、14日は韓国とインドネシアの中央銀行が政策金利を発表する。
アメリカ主要企業の決算は、11日はプライスライン・グループ、13日はディア、シスコシステムズ、メーシーズ、14日はウォルマート、JCペニー、ノードストローム、アプライド・マテリアルズ、コールズ、15日はエスティローダーが発表する予定。
8月は、何かが起こる。1971年のニクソンショック、1985年の日航ジャンボ機墜落事故、1990年のイラクのクウェート侵攻、1991年のソ連のクーデター、1998年のロシアのデフォルト、2005年のハリケーン「カトリーナ」来襲、2007年のパリバ・ショック、2009年の総選挙で民主党に政権交代、2011年の米国債の格下げ……そして2014年8月もオバマ大統領が緊急声明を発表して米軍がイラク北部を「限定空爆」し、世界のマーケットをリスクオフの渦中に巻き込んだ。東京市場も8日、日経平均が454円の大幅安を喫した。