被爆者代表の声しっかり受け止める 海江田代表

2014年08月10日 12:13

 民主党の海江田万里代表は長崎市での平和祈念式典後、記者団の質問に答え「被爆者代表から集団的自衛権の問題に『行使容認は暴挙』という発言があった。これをしっかり受け止めなければいけないと感じた」と政府・自民に対峙する姿勢を示した。

 海江田代表は「(集団的自衛権の行使に)つぶさに(政府の示した)15事例を検証した」としたうえで「今の時点で必要ない。集団的自衛権を行使しなくても日本の国はしっかり守れる」との認識を改めて明確にした。

 長崎市での平和祈念式典では田上富久市長が「日本国憲法に込められた戦争をしないという誓いは、被爆国日本の原点であるとともに被爆地長崎の原点でもある。被爆者たちが自らの体験を語ることで伝えてきた、その平和の原点がいま揺らいでいるのではないかという不安と懸念が、急ぐ議論の中で生まれている」と集団的自衛権の言葉を平和宣言の中に用いて「日本政府にはこの不安と懸念の声に、真摯に向き合い、耳を傾けることを強く求めます」と安倍総理らに要請した。

 また、被爆者代表の城臺(じょうだい)美弥子さんは式典での平和への誓いで「今、進められている集団的自衛権の行使容認は日本国憲法を踏みにじる暴挙です。日本が戦争できるようになり、武力で守ろうというのですか、武器製造、武器輸出は戦争への道です。いったん戦争がはじまると戦争は戦争を呼びます。歴史がそれを証明しているではないですか。被爆者の苦しみを忘れ、なかったことにしないでください」と訴えた。安倍総理は静かに聴いた。(編集担当:森高龍二)