ずっと暗い闇の中を走り続けていた日本経済に、ここのところようやく復活のほのかな灯りが見え始めてきた。最近では、そうした日本経済に対する「明るいニュース」を耳にすることも珍しくなくなったが、しかし、13日に内閣府が発表した2014年4~6月期の国内総生産(GDP)の速報値結果をみると、日本経済の道行きの先に待っているのは、必ずしも「明るいニュース」ばかりではないことがわかる。
13日、内閣府が14年4~6月期の国内総生産(速報値)を発表。それによれば、物価変動の影響を除いた実質で前期比1.7%ダウン、年率では6.8%ダウンと落ち込みをみせ、6ヶ月ぶりにマイナスとなった。また年率6.8%ダウンという結果は、11年3月に発生した東日本大震災の影響により前期比6.9%ダウンとなった11年1~3月期以来となる、大幅なマイナスであった。
4月に実施された消費税増税の影響により個人消費は前期比5.0%ダウン、また住宅投資や設備投資などもマイナスとなったことが今回の結果に影響したものとみられる。個人消費の前期比5.0%ダウンについては、統計上比較が可能な1994年以来、過去最高のマイナス幅となった。
個人消費は自動車や家電製品などが落ち込みマイナスに。また設備投資も4月にサポートが終了した「Windows(ウィンドウズ) XP」の買い替え後の反動により、マイナスとなった。
そのほかの項目についても、民間住宅投資が前期比10.3%ダウン、9期ぶりに前期を下回った。また企業の設備投資は2.5%ダウン、5期ぶりに前期を下回った。公共投資は前期比0.5%ダウンで、2期ぶりのマイナス。輸出も前前期比0.4%ダウンと3期ぶりのマイナス。このように、多くの項目が前期を下回りマイナスとなった。しかし、輸入については前期比5.6%ダウンという結果であったものの、6期ぶりにマイナス幅は縮小した。
なお、前回消費税が増税された97年4月後の4~6月期の国内総生産の年率は前期比3.5%ダウンという結果であり、今回よりもマイナス幅は小さい。
はたして今回のこの結果は、日本経済が回復へと至る道行きの一時的な足踏みなのか、それとも新たな「暗闇」の入口なのか?ただの足踏みであること願うばかりである。(編集担当:滝川幸平)