【今週の振返り】8日の悪夢から全値戻しして539円上昇した週

2014年08月16日 20:34

EN-d_302

「自律反発」「円高一服」「地政学的リスク一服」で薄商いの中、連騰感なき5連騰。

 12日のNYダウは9ドル安で3営業日ぶりの小幅反落。NASDAQは12ポイント下落した。「人道支援物資」がロシアからウクライナに出発すれば実効支配を固める謀略工作ではないかと疑われ地政学的リスクやまず、ドイツのZEW景況感指数の市場予測を下回る悪化がリスクオフに輪をかけマイナス圏で推移。それでも大幅安にはならず。13日朝方の為替レートはドル円が102円台前半、ユーロ円が136円台後半でユーロが少し安い。

 取引開始前に発表された4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は6.8%減。前日発表の「ESPフォーキャスト調査」の予測は年率換算6.81%減、市場予測の中心値は7.2%減だったが、それよりは良かった。

 日経平均は49.55円安の15111.76円で始まるが、GDPは思ったほど悪くないと東京市場は午前9時19分までに日経平均もTOPIXもプラス圏に浮上する。しかし上昇は15193円どまりで15200円にタッチできず小幅高で推移。それも10時前には息切れしてTOPIXとともにマイナスに落ちてしまう。ファナック<6954>が足を引っ張り、ドル円レートも円高方向に振れたので先物主導。15150円付近で底を打ち10時15分頃にはプラスに戻るが長続きしない。上海、香港市場がマイナスで始まると日経平均もマイナスでお付き合いしたが、11時台にはプラスに定着し前引けは15186円だった。

 後場は15180円で再開し、午後0時台のうちに前場は届かなかった15200円にタッチして1時台前半には安定的に乗せる。一目均衡表の「雲」の上限15209円も超えて雲の上に出る。1時台後半から15200円を割り込む。2時30分に中国の7月の経済指標がまとめて発表され、小売売上高12.2%増、工業生産高9.0%増でどちらもほぼ市場予測通り。日中の経済指標イベントを無事通過して安心感がひろがり、終盤はどんどん値を切り上げ2時55分に14235円の高値をつけるが、大引けでは上値を抑えられ終値は52.32円高の15213.63円で3日続伸。一目均衡表の雲の上には出たが、8日の454円安の「終値全値戻し」はこの日もお預け。日中値幅は127円。TOPIXは+4.44の1262.13。売買高は17億株、売買代金は1兆5429億円で閑散相場が続く。

 プラスセクター上位は海運、その他金融、鉄鋼、不動産、空運、非鉄金属など。下位は小売、水産・農林、倉庫など。マイナスのセクターは鉱業、医薬品、電気・ガスだった。

 13日のNYダウは91ドル高。NASDAQは44ポイント上昇した。ウクライナはロシアの人道支援物資の受け取りを謝絶したが地政学的リスクはこの日も小康状態で、それが買い戻しを誘った。小売売上高が横ばいで微増の市場予測を下回ったが、「早期利上げ観測後退」と解釈されて悪材料が好材料に化ける。14日朝方の為替レートはドル円が102円台前半、ユーロ円が136円台後半で前日とほぼ同じ水準。

 取引時間前に内閣府から6月の機械受注が発表され、+8.8%で3ヵ月ぶりのプラスでも市場予測の+16.2%を大きく下回り、5月がマイナスで悪かっただけにネガティブな印象。政府の判断は「一進一退で推移」。7~9月の見通しも前年同期比2.9%増で弱気。

 日経平均は70.75円高の15284.38円でスタート。TOPIXもプラス。午前9時6分には15300円台に乗せる。9時9分に15319円まで上昇した後は折り返して15280~15290円台で推移する。前日終値時点で15326円の25日移動平均線が上値のレジスタンスラインになっていた。10時台には15300円台に乗せ、為替のドル円が102円台後半、ユーロ円が137円台へ円安が進行すると日経平均は10時29分に15330円まで上がり25日線を一時上回ったが、上海、香港市場が序盤マイナスだったこともあり再び15300円より下に押し戻される。それでも前引けは15304円だった。

 後場は15300円台で再開し、再び25日線突破にアタック。午後0時44分に成功して15338円まで上がるが、押し戻され15320円前後の水準で安定的に推移する。2時台は15320円のラインを維持しながら上値に2回アタックしたが、そのたびに25日線に阻まれた。大引け前には下押しされるが終値は100.94円高の15314.57円で今週4日続伸した。日中値幅は66円にとどまる。TOPIXは+8.37の1270.50。売買高は18億株、売買代金は1兆5702億円と低調だった。