「自律反発」「円高一服」「地政学的リスク一服」で薄商いの中、連騰感なき5連騰。
前週末8日のNYダウは185ドル高と大きく反発。NASDAQ総合指数は35ポイント高。米軍はイラク北部空爆を開始し序盤は売り買いが交錯したが、ロシアがウクライナ国境付近の軍事演習を終了したニュースで買い戻しが活発になった。11日朝方の為替レートはドル円が102円台前半、ユーロ円が136円台後半で、前週末から円安方向に戻っていた。
10日の日経新聞が、7日に速報が出たGPIFの運用改革の詳報を伝えた。5日の運用委員会で「全資産の18％まで」という国内株式の保有上限を一時撤廃し、9月以降は国内株式の保有割合を20％台に増やす内容で、株式市場に好材料を提供。
日経平均は244.27円高の15022.64円で、8日の下落分の半値戻しライン15005円を超え「自律反発で半値戻し」でスタートする。TOPIXも大幅上昇。午前9時5分に15054円まで上がる。減益決算のソフトバンク＜9984＞が足を引っ張り大台を割り込む時間帯もあったが、10時20分頃までおおむね15000～15050円の狭いレンジで推移する。しかし今度はファーストリテイリング＜9983＞が上げ幅を圧縮したため大台を割り込み10時28分に14973円まで下げた。10時30分に上海、香港市場がプラスで始まると大台を回復するが8月SQ値の15036円がレジスタンスラインとして働き、なかなか上抜けない。それでも11時を回るとソフトバンクの株価がプラスに転じて日経平均も高値を取りはじめ、15100円台に乗せ、5日移動平均線を超えて15114円まで上昇する。前引けは15107円だった。
後場は15100円を割って始まるが、15100円をはさんでプラスマイナス15円程度の小動きがずっと続く。午後2時に7月の消費動向調査が発表され、消費者態度指数は前月比0.4ポイント増の41.5と改善。それを受け2時台は日経平均も上向きになり、2時26分には15161円まで上昇する。最後まで15100円を回って推移し終値は352.15円高の15130.52円だった。日中値幅は188円。454円下落の翌営業日は大幅反発で、半値戻しを通り越し77.5％戻した。TOPIXは+24.25の1252.51。売買高は18億株、売買代金は1兆8608億円で、すでに夏休みモード。
プラスセクター上位は保険、食料品、建設、化学工業、倉庫、非鉄金属など。下位は鉱業、輸送用機器、ガラス・土石、空運、金属製品など。マイナスセクターはゴム製品だった。
週明け11日のNYダウは16ドル高と続伸。NASDAQも30ポイント上昇。地政学的リスクはイスラエルとハマスの停戦協議再開でやや好転しヨーロッパ市場は反発。フィッシャーFRB副議長が2008年以後の世界経済の回復に「期待外れの点がある」と発言したが利上げが遠のく〃好材料〃視された。12日朝方の為替レートはドル円は102円台前半、ユーロ円は136円台後半で、前日からあまり動かなかった。
日経平均は34.21円高の15164.73円で始まる。TOPIXもプラス。午前9時15分に15147円で底を打った後、為替の円安を伴った先物主導の上昇が始まり15200円を突破して9時37分に15226円まで上がる。10時6分には15235円をマークし、7日終値の15232円を上回り8日の454円下落の全値戻しを2日目で達成。TOPIXも全値戻しを達成した。「達成感」が出たのかそこから下落し、上海、香港市場はマイナスで始まったものの15170円近辺で下げ止まる。その後は15180円前後でもみあい、前引けは15178円だった。
後場は15184円で再開するが、午後0時台のうちに15146円まで下落する。足を引っ張ったのはマイナス圏のファーストリテイリングの下げ幅拡大。1時すぎに15180円付近まで戻すが、1時25分、前場と逆に為替の円高を伴った先物主導の下落でマイナスに転落し15125円まで下げた。それでもすぐプラスに戻して値を小刻みに上げていくが15200円は遠い。薄商いの上に今週最大の国内経済指標、4～6月期GDPの発表前日なので買い控えムードにも支配されてそのまま大引け。先物売りに何度も脅かされながら30.79円高の15161.31円の続伸で終えた。日中値幅は110円。TOPIXは終始プラスを維持し+5.18の1257.69。売買高は16億株、売買代金は1兆6180億円で、前日よりもさらに薄商い。
プラスセクターの上位はガラス・土石、精密機器、電気・ガス、卸売、医薬品、陸運など。下位は食料品、機械、不動産など。マイナスのセクターは情報・通信、その他金融、繊維だった。
