日立造船<7004>は2018年をめどにインドネシアとベトナムで100億円を出資してごみ発電事業を始めると報じられ1円高。現地の再生可能エネルギー買い取り制度を利用して売電して安定収入を得る。
業種別騰落率最下位の建設セクターは中堅銘柄の利益確定・手じまい売りが目立った。値下がり率ランキング3位に東洋建設<1890>、9位に前田建設工業<1824>、11位にナカノフドー建設<1827>、13位に五洋建設<1893>、16位に大末建設<1814>が入った。今週活躍した鉄建<1815>は15円安、熊谷組<1861>は6円安、三井住友建設<1821>は2円安で一服。日本工営<1954>は8日に英国のハイダー社の買収に合意と発表したが、オランダのアルカディス社がより好条件を出して〃略奪婚〃し「このお話はなかったことに」なって12円安。しかしアメリカの1ドルショップ業界ではファミリー・ダラーが、一足先に買収に合意した相手に操を立てて最大手の〃横恋慕〃を退けた。人生いろいろ、会社もいろいろ。
新日鐵住金<5401>は売買高6位で5.6円安、神戸製鋼<5406>は売買高15位で値動きなし、JFEHD<5411>は27円安で、鉄鋼セクターは業種別騰落率で一番下から2番目。イムラ封筒<3955>は2~7月中間期の営業利益見通しを2.9億円から4.8億円に上方修正し12円高で年初来高値更新。通期見通しは据え置いている。
ビックカメラ<3048>は8月期の営業利益が5割増の200億円前後という業績観測記事が出て11円高で年初来高値更新。ヤマダ電機<9831>は売買高12位に入ったが9.5円安。イオン<8267>は大型商業施設に民間認可保育所を設ける構想を明らかにしたが2.5円安。2015年春までに首都圏で1カ所、2018年春をメドに46都道府県各1カ所以上に導入する。従業員の子育て支援だけでなく地域の待機児童解消にも寄与する。
政府が教育目的の贈与税の非課税枠上限を現在の2倍の3000万円に倍増し、目的を結婚、妊娠、出産、育児など子育て全般に幅広く認めることを検討と伝わった。最も反応したのはリソー教育<4714>で21円高で値上がり率6位。不祥事で株価が低迷していた「値頃感」もありそう。社債発行枠2000億円を設定した住友不動産<8830>は0.5円安。この日は27円安だった三井不動産<8801>の大型公募増資同様、不動産大手は開発投資資金の手当てが喫緊の課題。三菱地所<8802>も26.5円安だった。
今週は話題が多かったJR東日本<9020>は117円高で締めくくった。同じく日本エンタープライズ<4829>はストップ高の100円高で年初来高値を更新し今週4回目の値上がり率1位。スカイマーク<9204>は下げ止まって反転し19円高で値上がり率5位。株価が落ちるところまで落ちると「企業継続に疑義」の注記がついてもあえて買う人が出てくるのが株式市場だ。
オリエンタルランド<4661>は、ヒット商品番付で「妖怪ウォッチ」と東西の横綱を奪いあいそうな映画『アナと雪の女王』関連のアトラクション『アナとエルサのフローズンファンタジー』の2015年1月公開を発表。売買代金11位に入り995円、5.02%の大幅高で上場来高値を更新して値上がり率16位に入った。冬の閑散期の入場者増が望める。中小企業の厚生年金基金の受け皿として民間保険会社から企業年金プランの提案を受けて採用する動きが報じられ、記事に名前が出た東京海上HD<8766>は4円高だった。
新興市場はゲーム関連が好調で、日経ジャスダック平均は0.29%上昇して7日続伸し、東証マザーズ指数は0.70%上昇していた。
この日の主役は、ゆく夏を惜しむかのように売買が活発で軒並み高になったゲーム関連銘柄。Klab<3656>は売買高8位、売買代金1位の大商いで191円高になり値上がり率4位。ボルテージ<3639>は59円高、エイチーム<3662>は290円高で値上がり率19位、クルーズ<2138>は105円高。「新御三家」のガンホー<3765>はスマホゲームアプリのスーパーセル株を約360億円でソフトバンク<9984>に売却すると発表し8円高。75億円の売却益は新興国の市場開拓に使うという。ミクシィ<2121>は100円高。コロプラ<3668>は売買代金4位に入り225円高で値上がり率13位。18日に「魔法使いと黒猫のウィズ」が2900万ダウンロード、「白猫プロジェクト」が700万ダウンロードをそれぞれ突破したと発表した。黒猫も白猫もこの夏休みは荒稼ぎしているが、ねこがかくしているものは、まだまだ出てきそうだ。(編集担当:寺尾淳)