河野談話 どんな検証結果でも見直しはない

2014年05月28日 19:51

 菅義偉官房長官は河野談話の検証について、28日、検証結果によっては内容の見直しを行うのかとの記者団の問いに「見直しはやらない」と断言した。

 菅官房長官はその理由として「河野談話については日韓間で様々なやり取りがあった。その中で河野談話は生まれてきた」と語り、「談話の発表の大きな根拠のひとつは16人の慰安婦の方による証言だった。慰安婦の方の証言について、当時、事実関係の確認のための裏付け調査をやっていなかったので、裏付け調査なしに河野談話は発表された」と談話については裏付け調査がなかった中での発表だったとの認識を示した。
 
 ただ、一方で、菅官房長官は「河野談話の発表が平成5年で、(それから)21年間も経っているので、当時、裏付け調査をやらなかったものについて、当時の方で亡くなられている方もおられるでしょうから、証言の事実関係を洗い直すことは事実上不可能だと思っている」と語り「そうしたことから考えれば、政府として見直しをすることは不可能と判断した」と検証結果がどのような結果であれ、河野談話を見直すことは「やらない」とした背景について見直しが不可能な状況にあるためとの考えを示した。

 菅官房長官はこの日の衆院予算委員会で従軍慰安婦への旧日本軍の関与を認めた河野洋平官房長長官(平成5年当時)の談話作成過程の検証について政府で5人からなる検証チームをつくり検証作業を行っていることを明らかにした。これを受けて記者団から質問があった。検証内容は今国会中に報告される予定であることも明らかにした。(編集担当:森高龍二)