【今週の振返り】ドル円104円に定着しきれず114円下落した週

2014年08月30日 20:19

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歴史はマージナル(辺境)から変わる。小型株、東証2部、新興市場などのマージナルな銘柄に光が当たるのは、新しい時の始まりか?

 プラスセクター上位は医薬品、海運、証券、鉱業、保険、建設など。マイナスセクター下位は小売、陸運、その他製品、不動産、サービス、ゴム製品などだった。

 27日のNYダウは15ドル高で終値史上最高値17138ドルにあと16ドルに迫った。NASDAQは1.02ポイント下落。S&PP500は史上最高値更新。パレスチナの長期停戦合意、1株当たり利益が市場予測を上回ったティファニーの決算などを好感し朝方は上昇。レイバー・デーの3連休を前に買いが続かずマイナスにもなったが、最終盤に持ち直しプラスで終了。28日朝方の為替レートはドル円が103円台後半、ユーロ円が137円近辺で、ドル円は104円台に定着しそうで、なかなかそうならない。

 日経平均は52.55円安の15482.27円で15500円を割り込んで始まる。TOPIXもマイナスでスタート。午前9時台は為替のドル円も徐々に円高方向に振れ、日経平均も下げ幅を拡大していく展開だったが9時44分の15423円で底を打って反転し、前日時点で15392円の25日移動平均線でサポートされる格好。10時台前半には15470円付近まで戻し、上海は2日続伸、香港は3日ぶり反発で始まると日経平均は15450~15460円台で動かなくなる。前引けは15453円だった。

 後場も当初、前場と同じ水準で小動きするが、午後1時30分頃から少し水準を下げ15440~15450円台に。2時台は少し凹んでもすぐに元通りになり、終盤から大引け間際にかけてやや上昇して終値は74.96円安の15459.86円と反落した。日中値幅は64円と少ない。JPX日経400の定期入れ替え実施とともに大引け後にTOPIXのリバランスに伴う売買が入ると伝えられたが、影響は限定的で高値引けや安値引けの続出にはならず。TOPIXは-5.18の1280.74で1280台を維持。売買が小型株に偏ったので売買高は20億株でも売買代金は1兆6316億円止まり。

 プラスは医薬品、空運、パルプ・紙、石油・石炭、その他金融。マイナスで下落幅小は化学工業、水産・農林など。下落幅大は鉄鋼、電気・ガス、ゴム製品、海運、食料品、不動産などだった。

 28日のNYダウは42ドル安で4営業日ぶりに反落し、NASDAQは11ポイント下落した。ウクライナの大統領が「ロシア軍が領内侵入」と緊急声明を出しNATOもその数1000人以上と確認して地政学的リスク再燃。序盤は軟調だったが、100ドルを超える下げから午後は持ち直して終えた。下支えは経済指標の良さで、アメリカの4~6月期の国内総生産(GDP)改定値は速報値から0.2ポイント上方修正され年率換算4.2%増で市場予測を上回った。新規失業保険申請件数は改善。仮契約住宅販売指数は3.3%上昇し1年ぶりの高水準だった。29日朝方の為替レートはドル円が103円台後半、ユーロ円が136円台後半で、前日よりも円高が進んでいた。

 日経平均は35.98円安の15423.88円で始まる。TOPIXは-3.39の1277.35、朝から31銘柄が入れ替わって算出が始まったJPX日経400は-32.68の11597.64で始まった。序盤は下落するが、午前9時3分の15406円で底を打ち前日終値時点の25日移動平均線15399円の手前で踏みとどまる。反転して日経平均は9時台いっぱいおおむね15400円台は維持していたが、10時を回ると15400円も25日線も割り込み10時28分に15366円まで下げる。上海市場は序盤プラス、香港市場はマイナス。少し持ち直しても11時台は再び下げて11時7分に15356円まで下落し、前引けは15365円だった。

 後場は逆に値を戻す展開。午後1時台には25日線を上回って15400円台を回復し、1時54分には15439円まで上昇。その後もプラスまでは戻らないがソフトバンク<9984>の堅調に支えられて15400円台はしっかり維持した。終値は35.27円安の15424.59円と続落し、2勝3敗、22日終値から114.60円下落して今週の取引を終えた。7月31日の終値からは196.18円下落して、地政学的リスクに翻弄された8月を締めくくった。日中値幅は91円。TOPIXは-2.77の1277.97と続落。JPX日経400は-35.67の11594.65。売買高は20億株、売買代金は1兆8052億円だった。

 プラスのセクターの上位はゴム製品、不動産、輸送用機器、非鉄金属、建設、石油・石炭など。マイナスのセクターの下位は情報・通信、精密機器、その他製品、陸運、パルプ・紙、海運などだった。(編集担当:寺尾淳)