老後の生活を支えるのに欠かせないのが公的年金だが、その公的年金を運用する行政法人、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が29日、2014年4~6月期の決算を発表した。それによれば、運用は2兆2235億円の黒字であったことがわかった。こうして黒字となるのは、2四半期ぶりのこととなる。運用資産額は127兆2640億円。
今回、年金積立金管理運用独立行政法人が発表した2兆2235億円の黒字という結果は、国内外の株高が寄与したものとみられる。運用資産額は3月末と比較すると6869億円プラスとなり、127兆2640億円となった。
運用の利回りは1.77%で、資産別に運用益を見てみると、国内債券が4408億円で、国内株式が1兆694億円、外国債券764億円、外国株式が6044億円という結果であり、いずれも黒字であった。
そして3月末と6月末を比較してみると、国内株式は3月末よりも1兆1243億円増加した。また海外株式は6040億円増加、そして外国債券も795億円増加した。国内外の株高により、含み益が増加したことが影響したとみられる。それが以外にも、新たに株式を買い増したことが影響したとみられる。しかしその一方で、国内債券は2兆2494億円減少となった。
また資産構成割合で見てみると、国内株式の割合は3月末の15.88%から0.91ポイント増えて16.79%。年金積立金管理運用独立行政法人は現在運用改革を推進しており、国内株式の割合を20%程度まで引き上げるとの方針を打ち出している。そのほか、国内債券が51.91%、外国債券が10.76%、外国株式が15.54%という結果であった。
年金積立金管理運用独立行政法人は今年の9月にも発表される予定の運用比率の見直しにより、国内債券を40%程度に、そして国内株式を20%程度に引き下げる方針だが、現状の傾向はすでにその方向に進み始めている。
国民の納めた厚生年金や国民年金の保険料は、年金受給者に給付される。しかし、それ以外の余った分については積み立てられ、年金積立金管理運用独立行政法人により管理・運用が行われる。(編集担当:滝川幸平)