超少子高齢化が進む中、公的年金を含む社会保障をどのように持続させるかが重要課題となっているが、社会保障に関する意識調査によると、若年層では4人に1人が「社会保障には期待しない」と回答しているのに対して、年齢層があがるにつれて「老後はなるべく社会保障でみてもらいたい」と考えている人が4人に1人に上るなど、年齢層によって社会保障に対する考え方が大きく異なることが改めてわかった。また同居希望は年々減少し続けており、今や半数が「別居でよい」と考えていることもわかった。
厚生労働省がまとめた「高齢期における社会保障に関する意識調査結果」で明らかになった。
老後生活と社会保障の関係については、「老後の生活の準備はまず自分でするが、全部は出来ないので、足りない部分は社会保障でみてもらいたい」とする者が52.8%と過半数を占めており、年齢別にみてもすべての年齢層で最も多かった。
一方で、年齢層によって2番目に多い回答には大きな差が出ていた。
20代では、25%が「老後の生活は自分が考えるべきで、若いときからその準備をする。社会保障にはあまり期待しない」と考えており、「将来のことは予測できない面があるので、自分で準備するといっても限界がある。社会保障のための負担が重くなってもよいから、老後の生活はなるべく社会保障でみてもらいたい」と考えるのは12%に留まっていた。
これに対し、50代以降の高年齢層では、「社会保障にはあまり期待しない」が1割未満で、「なるべく社会保障で見てもらいたい」が25%前後を占めるなど、若年層と高年層で回答が逆転していることがわかった。老後の生活形態については、子どもとの同居意識をみると、同居を希望する者は 27.1%となっており、過去の調査結果と比べて、ますます減少傾向となっていることがわかる。
同居を希望する者の内訳をみると、条件なしで「同居したい」とする者が15.7%、「元気なうちは別居し、病気になったら同居したい」が6.7%、「配偶者がいなくなったら同居したい」が4.7%と続く。1983年時の調査では、条件なしの同居希望が46.1%だったのに対して、今回調査では15%まで落ち込むなど、同居を希望する人が年々減り続けていた。
一方、別居については、「子どもが近くにいれば別居でもよい」が 38.3%、条件なしで「別居したい」が 11.0%となっており、合わせて49.3%に上るなど、別居肯定派が多数を占めることがわかる。
年をとって介護が必要となり、自宅で介護を受ける場合については、「ホームヘルパーなど外部の者の介護を中心とし、あわせて家族による介護を受けたい」とする者が34.2%、「家族の介護を中心とし、ホームヘルパーなど外部の者も利用したい」が27.1%となっており、家族と外部の者(ホームヘルパーなど)の両方からの介護を受けたい者が約6割を占めていた。(編集担当:横井楓)