シャープが高齢者見守りサービスの実証実験開始 高齢化社会に求められる新ビジネスとは?

2014年08月21日 08:39

 シャープ<6753>は19日、高齢者の見守りサービスや健康管理と家庭向けエネルギー管理システム(HEMS)を組み合わせた「地域課題対応型EMSサービス」の実証実験を、2015年1月から神奈川県大井町にて開始すると発表した。

 この実証実験では、神奈川県大井町に居住する高齢者世帯を対象に参加者を募集し、1.エネルギー管理サービス、2.地域課題に即した生活支援サービスなどのサービスを提供する。

 エネルギー管理サービスは、参加者の宅内にあるテレビや白物家電をHEMSによってネットワーク化。各機器の利用状態や消費電力の情報を、ネットワークを介して同社が管理するクラウドサーバーで収集・蓄積。これらの情報から日々の電力使用状況などをタブレット端末やスマートフォンで閲覧できるほか、電力の使用実績をもとにワンポイントアドバイスを行い、節電意識の高揚を促す。

 地域課題に即した生活支援サービスなどは、(1) 生活支援サービス、として見守り機能に必要な専用機器をテレビに接続し、健康状態に関するアンケートを毎日実施。さらにHEMSを介した各機器の電力使用状況から得られる生活リズムの情報と合わせることで、精度の高い見守りを行う。また、(2) 健康管理サービスとして、参加者はタブレット端末にプリインストールされているアプリケーションソフト「未病倶楽部」を使って、体温や血圧、服薬履歴などの情報を管理できるほか、アンチエイジングゲームや体操のメニューを利用することで、楽しみながら健康維持に取り組むことができる。

 そして、これらサービスを通じてシャープが取りまとめた情報は、参加者の家族や地域のサポーターが定期的にモニターし、きめ細かな見守りに役立てていただくことができるという。
 
 実験対象は、神奈川県大井町に居住する高齢者世帯(10世帯)、期間は2015年1月~3月 (予定)。内容は参加者宅にHEMS、見守り、健康管理サービスに関する各種機器を設置(シャープから貸与)。市町村、民生委員、家族などのサポーターが、インターネットを介してパソコンで参加者宅の状況をモニターする。

 2013年の日本人の平均寿命は男性がついに80歳を超え80.21歳、女性は2年連続で世界一となる86.61歳となった。高齢化社会には今回のような新しいビジネスモデルが求められる。しかし、このようなサービス形態にはプライバシー保護などの新しい問題が出てくると思う。コスト面なども含めそこをどう折り合うかがポイントになるだろう。(編集担当:慶尾六郎)