慰安婦問題で礒崎総理補佐官が私見

2014年09月08日 10:21

 総理補佐官礒崎陽輔参議院議員は慰安婦問題について、私見としたうえで「慰安婦は大陸などの戦地において売春施設である各地の慰安所に勤務し、兵士に対し報酬を得て性的奉仕をしていた。慰安婦は日本人のほか、朝鮮人、中国人、台湾人、フィリピン人、インドネシア人、オランダ人などがいた」とし、「性病まん延の予防や強姦事件の防止などのため、日本軍の要請により慰安所が設置されたのは事実」とした。

 そのうえで、「軍により、楼主と呼ばれる遊郭の経営者に対して慰安所の設置要請が行われ、要請に応じた経営者は自ら遊郭の女性を引き連れて大陸などに渡り、慰安所を開設した。慰安所の開設には女性が不足することから、日本国内外で新たな女性が募集されたが、募集は経営者自ら行ったのではなく、多くは経営者から女衒(ぜげん)と呼ばれる周旋業者に依頼して行われた。日本軍が女性の募集を行ったわけではない。朝鮮では周旋業者のほとんどは朝鮮人だった」とする。

 礒崎氏は「周旋業者が『甘言を弄し、あるいは畏怖させる等の形で本人たちの意向に反して集めるケースが数多かった』のも、事実でしょう。『看護の補助をする仕事だ。』『軍の命令だ』とだまし、『お金をたっぷりもらえる。』とうまいことを言って募集したことが、報告されている」と指摘。周旋業者が女性確保のために騙したり、畏怖したりした事実が報告されていると周旋業者によって騙されたり、畏怖されたケースのあることを指摘した。

 また「渡航のための証明書を発行する必要があったことなどから、募集に当たって、朝鮮人の官憲等が同行することもあったと報告されているので、そのことが、女性に畏怖を与えたこともあったのでしょう」としている。

 一方で、礒崎氏は「日本政府は従来『狭義の強制性を裏付ける証拠はなかった。』と主張しているが、絶対になかったことを証明するのはまた難しい」とし「異例だが、実際、昭和19年にスマラン事件があり、ジャワ島のスマラン抑留所に収容されていたオランダ人女性が陸軍軍人に強制連行され、『慰安所』で働かされていた。このことは陸軍本部の知るところとなり、慰安所は直ちに閉鎖され、戦後、責任者であった元陸軍少佐は戦犯として処刑されている」と強制連行の事例がなかったわけでもないことを異例としてあげた。

 このケースが軍として行われたことか、軍人個人の犯罪行為として行われたものか表記されていないが、礒崎氏は「異例」として取り上げているので、組織的な行為でなく、個人の犯罪行為として例示していると思われる。

 礒崎氏は、軍による強制連行で女性が慰安所で慰安婦にされたということではなく、軍が慰安所設置を遊郭の経営者に要請し、要請に応え設置した経営者が女衒と呼ばれる周旋業者に女性の募集を依頼し、その業者が「軍の命令だ」とだましたり、「お金をたっぷりもらえる」とだましたりして、呼び込んだ事実が報告されていると慰安婦問題を取り上げた。

 礒崎氏は「慰安所が軍の要請によって設置されたことは事実で、その慰安所で慰安婦と呼ばれる痛ましい境遇の女性たちが働いていたのも紛れもない事実」とした。(編集担当:森高龍二)