【日経平均】FOMC無事通過しドル円108円台で178円高

2014年09月18日 20:23

 17日のNYダウは24ドル高で3営業日続伸し取引時間中も終値も史上最高値を更新し、NASDAQは9.43ポイント上昇。FOMCの結果は量的緩和政策の10月終了を確認したが、ヒルゼンラス記者が書いたとおりゼロ金利は「相当の間」維持の姿勢を堅持した。利上げ懸念が後退して買われてもスコットランドの件で懸念売りが入って終盤上値を抑えられ、霧はまだ晴れない。FOMCを無事通過してアメリカの長期金利は2.6%を超えて上昇。為替はドル円は108円台、ユーロ円は139円台に乗せ円安が急進し、ドル円はリーマンショック時の2008年9月の水準まで戻る。18日朝方の為替レートはドル円が108円台後半、ユーロ円が139円台前半だった。

 CME先物清算値は一時16000円の大台にタッチし15980円。8月の貿易収支は9485億円の赤字で市場予測に近い数字。輸出が2ヵ月ぶりに減少した。日経平均は147.80円高の16036.47円でいきなり1月9日のザラ場以来の16000円台に乗せて始まる。TOPIXもプラスで開始。しかし午前9時4分に16039円まで上昇した後は上値を抑えられ9時23分には16003円まで下げる。これ以上の上値は追えないようで、ドル円も108円台の後半から前半へ円高方向に振れていた。日経平均は大台の淵すれすれで小動きするが変化が現れたのは10時台で、ドル円が再び108円台後半に振れ、日経平均は10時24分に16067円の高値を取る。中国人民銀行の8兆円もの資金供給にかかわらず上海、香港市場はマイナスで始まるが、問題にせず日経平均は16050円前後で動きが止まる。その間にユーロ円が139円台前半から後半に動いていた。前引けは16049円だった。

 後場は少し高く再開し16060円近辺から高値を取ってどんどん上昇し、午後1時を回ると16100円を突破。ここまでくれば1月6日ザラ場の16164円の年初来高値チャレンジが意識されるが、1時4分に16106円をつけてすぐに上値を抑えられ、おおむね16080~16100円の値動き。やはり東京市場の大引けと同時に投票が始まるスコットランドの住民投票の結果待ち。ユーロ円はとうとう140円にタッチし、ドル円は109円に接近する。それでも日経平均の小動きは終盤まで持ち越されたが、大引け直前に下押しされて終値は178.90円高の16067.57円で3日ぶりに反発。終値ベースでは1月8日以来の16000円の大台に乗せた。日中値幅は103円。TOPIXは+12.95の1317.91で年初来高値を更新した。売買高は22億株、売買代金は2兆3822億円で、ともに大台に乗せる活発な商いだった。

 値上がり銘柄は1290で全体の70%を占め、値下がり銘柄は423。31業種がプラスでマイナスは2業種のみ。上昇セクターの上位は機械、輸送用機器、保険、その他製品、精密機器、銀行など。下位は食料品、医薬品、石油・石炭、パルプ・紙など。下落セクターは空運、建設だった。

 日経平均採用225種は値上がり194銘柄、値下がり26銘柄。プラス寄与度1~3位はファーストリテイリング<9983>、ファナック<6954>、ソフトバンク<9984>の順で「日経平均寄与度御三家」が占め、合計寄与度は+56円で上昇幅の31.5%を占めた。マイナス寄与度1位はこの日最大の悪役のソニー<6758>で-7円、2位は日東電工<6988>で-1円だった。

 FOMCを通過した安心感でメガバンクは買い戻され、みずほ<8411>は0.7円高、三菱UFJ<8306>は11.5円高、三井住友FG<8316>は68.5円高。東京センチュリーリース<8439>はフィリピンの銀行系リース大手BPIリーシングに出資して社長を派遣すると報じられ6円高。新興国市場を積極開拓する。NISA口座開設者の中で実際に利用した人が8月に3割増加したというデータが出た。やはり「夏休みの株式投資お試し組」はけっこういたらしい。野村HD<8604>は2.9円高、大和証券G<8601>は8.5円高、松井証券<8628>は14円高、カブドットコム証券<8703>は8円高。今年の夏はいい思い出を残せただろうか?

 自動車大手は大幅高で新高値を取る銘柄が続出した。トヨタ<7203>は136円高で7日続伸、日産<7201>は10円高、スズキ<7269>は18.5円高、ヤマハ発動機<7272>は67円高でいずれも年初来高値更新。売買代金9位のマツダ<7261>は63円高、同10位の富士重工<7270>は70.5円高で、この2銘柄は上場来高値を更新した。ホンダ<7267>は75円高。ベアリングの日本精工<6471>も41円高で上場来高値を更新し、輸送用機器セクターは業種別騰落率2位だった。

 東芝<6502>は今期のテレビ販売が前期比2割減の700万台と報じられたが4円高。シャープ<6753>は中・小型液晶の生産比率が5割に達すると報じられたが値動きなし。パナソニック<6752>は6.5円高、日立<6501>は19.8円高。NEC<6701>はあらかじめ危険を予測する「予測技術」を活用した官民一体の自動運転技術の開発に参画すると報じられたが1円安だった。TDK<6762>は150円高で年初来高値更新。太陽誘電<6976>は63円高で値上がり率9位。ルネサスエレクトロニクス<6723>は48円高で同11位だった。電気機器セクターでは売買代金15位のセイコーエプソン<6724>が120円安で逆行安していた。

 新型iPhone発売まであと2日。キャリアの下取り競争にauのKDDI<9433>も参戦した。NTTドコモ<9437>は12円高で年初来高値更新、KDDIも65円高で年初来高値更新、ソフトバンクは128円高。IIJ<3774>はラオスを手始めにアジアで省エネ型のデータセンター事業を展開と報じられ100円高。三菱重工<7011>は24.2円、3.7%の大幅高。コマツ<6301>は62円高、川崎重工<7012>は売買高12位で9円高、クボタ<6326>は売買代金11位で31.5円高、ファナックは同13位に入って415円高で、機械セクターは業種別騰落率1位になった。