【日経平均】スコットランド独立否決253円高で年初来高値

2014年09月19日 20:33

 電気機器セクターは業種別騰落率6位。パナソニック<6752>はドイツのライカにグッドバイせずデジカメをOEM供給する提携関係をさらに拡大と報じられ5.5円高。日立<6501>は2.7円高。東芝<6502>は前日にパソコン事業の再編計画を発表。個人向けパソコン販売の拠点を減らし法人向けに絞り込み、採算性改善が見込めない国や地域から撤退。合わせて今期中に国内外で約900人の人員削減を実施し200億円以上の固定費の削減を図る。黒字部門のさらなるリストラを好感され6.8円高。営業利益450億円、純利益360億円の押し下げ要因になるが通期業績見通しは据え置いた。前日のアンチヒーロー、ソニー<6758>はS&Pが格下げ方向で見直しという報道もあって続落で始まり、後場一時プラスになったが終値は19円安。内部留保を取り崩せば配当を出せないことはないので、上場以来初の無配転落は「あえてショック療法に出た」という見方がある。そこまで虐げられても「やっぱりソニーが好き」という個人株主はいるようで、この日も売買高9位、売買代金3位と活発に売買されていた。

 信号機や駅の表示盤の京三製作所<6742>は4~9月中間期の営業赤字は12億円、最終赤字は6億円に拡大し、通期の営業利益は6億円、最終利益は2億円それぞれ下方修正し11円安で値下がり率8位と売られた。値上がり率1位は宮越HD<6620>で85円高。電子部品メーカーはTDK<6762>が320円高、日東電工<6988>が256円高、村田製作所<6981>が売買代金10位の500円高で、ともに年初来高値を更新。7~9月期の半導体シリコンウエハーの取引価格がスマホ需要で下げ止まる見込みという報道があり、信越化学<4063>は251円高、SUMCO<3436>は72円高で値上がり率11位に入り、ともに年初来高値を更新した。

 午前8時にアップルの「iPhone6」「iPhone6 Plus」発売。マーケットから2兆3500億円の資金を吸収する子会社アリババの19日のNY上場が決まったソフトバンク<9984>は前場マイナスだったが50円高、ヤフー<4689>は売買高11位で4円高。ソフトバンクモバイルは2020年にも、追加料金を払えば手持ちの端末で衛星回線経由で通話やメールができるサービスを導入と報じられた。そのための通信衛星も自前で打ち上げるといい、実現すれば「圏外」がなくなる。

 機械セクターは業種別騰落率トップ。蛇の目ミシン工業<6445>は売買高3位に入り14円高で年初来高値を更新し値上がり率2位、ファナックは売買代金12位に入り475円高で年初来高値を更新、三菱重工<7011>は売買高8位、売買代金13位で26.8円高、川崎重工<7012>は同6位で18円高、IHI<7013>は同10位に入り26円高で年初来高値更新と買われた。新日鐵住金<5401>は売買高5位の2.5円高で、鉄鋼セクターは業種別騰落率5位だった。

 円安が急進して輸出銘柄が上昇した裏返しに内需系銘柄はふるわず資生堂は24円安、花王は129.5円安で値下がり率10位、ヤマダ電機<9831>は9円安で同14位だった。ラクオリア創薬<4579>は、がん治療薬「EP4拮抗薬」がアメリカで特許査定を受けたと発表して40円高。ホギメディカル<3593>は270円安で値下がり率3位。クスリのアオキ<3398>の6~8月期(第1四半期)決算は営業利益33.4%増で業績上振れ期待が高まり205円高で年初来高値更新。

 「日高屋」のハイデイ日高<7611>は3~8月期の営業利益が5%増で3年連続で最高益を更新する業績観測が出て112円高で年初来高値更新。みんな夏でもラーメンたべたい? 建機レンタルのカナモト<9678>は、国内では関東以西に拠点をひろげ、アジア諸国でも事業展開を図って2017年10月期に前期比18.8%増の営業利益190億円を目指すという中期経営計画を発表したが235円安で値下がり率1位。それでも目標は高い方がいい。電通<4324>はアメリカのネット広告会社コバリオの広告部門を買収と発表し55円高。ネット検索連動型広告やSNSの口コミ分析による販促支援に強みがあるという。楽天<4755>は売買代金11位で9円高だった。

 開催中の「東京ゲームショウ(TGS)」で新作の評判が良い銘柄が買いを集めた。コーエーテクモHD<3635>は「ブレイドストーム百年戦争&ナイトメア」が評価され119円高で5日続伸し年初来高値を更新して値上がり率6位。またまた中世の花咲ける騎士道。国の運命は武力ではなくスコットランドのように民意で決めるのが「近代」だ。黒猫白猫のコロプラ<3668>は140円高、「千年の巨神」のenish<3667>は79円高。新興市場では日経ジャスダック平均は1.00%上昇、東証マザーズ指数は0.18%上昇した。

 首都圏でオーナーから住宅をサブリースで借り上げ、それを第三者に転貸・管理するビジネスを展開するAMBITION(アンビション)<3300>が東証マザーズに新規上場した。公開価格960円に対し11時3分、1.61倍の1555円の初値がついた。終値はさらに上昇して1830円と上々のデビューだった。(編集担当:寺尾淳)