【日経平均】スコットランド独立否決253円高で年初来高値

2014年09月19日 20:33

 18日のNYダウは109ドル高で4営業日続伸し史上最高値更新。NASDAQ総合指数は31ポイント上昇した。住宅着工件数は7月比14.4%減でも新規失業保険申請件数は28万件で市場予測より良く、早期利上げに慎重だったFOMCの結果はプラス効果持続。この時点でスコットランドの住民投票は投票中だが反対票が上回る読みでロンドン市場で英国ポンド、株価が高くなったのも追い風。アリババ上場への期待感もあって終日買い優勢だった。そのアリババは仮条件上限の公開価格68ドルと19日の上場が決定。デュポンが2.8%上昇し、アップルは0.2%上昇したがヤフーは1.2%下落。19日朝方の為替レートはドル円が108円台後半、ユーロ円が140円台半ばで、ユーロも高くなっていた。

 CME先物清算値は16145円。前日に国土交通省から「基準地価」が発表され、全国ベースでは1.2%下落したが、三大都市圏では住宅地が6年ぶりに上昇し全体では0.8%増で2年続けて上昇した。日経平均は110.37円高の16177.94円と1月6日のザラ場中の年初来高値16164.01円を更新して始まる。TOPIXも1320台に乗せてスタート。午前9時15分には16200円を突破するが、9時台は16200円そこそこの水準で横ばい。内閣府の月例経済報告が出て、国内景気の基調判断を「このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」とし、4月以来5カ月ぶりに下方修正していた。

 ところが10時を回るとスコットランドから独立反対派優勢の開票速報が入り始めたせいかドル円が109円台に乗せる。1週間で2円以上の円安急進。日経平均は先物主導で16250円を突破し10時20分に16278円をマークし、昨年12月30日につけた2013年の最高値16291円(終値ベース)、16320円(ザラ場ベース)が意識されてくる。中国市場は上海がマイナス、香港がプラスで始まって少し落ち着いた後、10時30分すぎから再び上昇開始。2013年の終値ベースの最高値をあっさり超えて10時45分には16300円を突破。10時48分には16317円と、2013年の最高値にあと3円まで迫る。その後は16300円前後で小動きし、前引けは16301円だった。

 昼休み、英国ポンド高に連動してユーロ円は141円台に乗せる。ユーロも1週間で3円以上の円安進行。日経平均は16303円で再開するが、反対派優勢の開票速報が続々入り、午後0時38分には16325円まで上昇して2013年のザラ場ベースの最高値もクリアし「アベノミクス相場最高値」を完全に更新。ヨーロッパの片隅の人口530万人の小国が東京株式市場にお祭り騒ぎのような急騰をもたらす。0時台のうちに16350円も突破し、0時50分に16364円のピークをつける。1時を回るとBBCが「独立否決」を報じ、英国のキャメロン首相は事実上の勝利宣言。独立派は〃先輩〃のアイルランドが大英帝国から独立した時の「700年待たせたんだ。7分ぐらい待て」(マイケル・コリンズ)の700年を307年に入れ替えて同じようなことを言いたかったかもしれないが、かくして世界の金融市場をやきもきさせた「スコットランドの独立」は、つかの間の夢物語と終わった。

 その後もしばらく日経平均は16350円オーバーの水準を維持したが、これで材料出尽くしなのか徐々に水準を下げていく。2時発表の7月の景気動向指数の一致指数の改定値は速報値の前月比0.2ポイント上昇から0.6ポイント上昇に上方修正。8月の百貨店売上高は0.3%減で5カ月連続のマイナスだった。2時台は為替レートが円高方向に折り返してユーロ円は141円を割り込み、イベントを通過した「クールダウン」が続き16300円を割り込む時間もあったが、終盤は少し持ち直し終値は253.60円高の16321.17円と続伸。終値ベースでも昨年の大納会12月30日の最高値を上回り「アベノミクス相場最高値」、2007年11月2日以来の「リーマンショック後最高値」を記録した。今週は2勝2敗で、12日終値から372.88円上昇して週間の取引を終えた。日中値幅はほぼ上昇一方で194円。TOPIXは+14.00の1331.91で1330をオーバーし年初来高値を更新した。売買高は25億株、売買代金は2兆7497億円で、主力銘柄を中心に売買が盛り上がった。

 東証1部の値上がり銘柄数は1328で全体の72%を占め、値下がり銘柄数は383。33業種別騰落率は31業種が上昇し2業種が下落した。プラスセクター上位は機械、金属製品、保険、輸送用機器、鉄鋼、電気機器など。プラスセクター下位は電気・ガス、石油・石炭、水産・農林、その他製品など。マイナスセクターは鉱業、空運だった。

 日経平均採用225種は値上がり186銘柄、値下がり29銘柄。プラス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で+48円、2位はファナック<6954>で+18円。マイナス寄与度1位は花王<4452>で-5円、2位は資生堂<4911>で-0.94円だった。

 メガバンクは続伸。みずほ<8411>は1円高、三菱UFJ<8306>は8.1円高、三井住友FG<8316>は64.5円高。野村HD<8604>は5.9円高だった。円安の急進で自動車大手も続伸。ホンダ<7267>は前日、2015年中販売開始の燃料電池車(FCV)の価格を先行するトヨタ<7203>とほぼ同水準の700~800万円とする方針を明らかにし43.5円高。補助金を引いて500~600万円程度。トヨタは49円高で年初来高値を更新した。前日にスズキ<7269>は「エブリイ」「ハスラー」とマツダ<7261>にOEM供給する2車種、日産<7201>は「フーガ」「スカイライン」と三菱自動車<7211>にOEM供給する4車種のリコールを国土交通省に届け出たが、スズキは101.5円高で年初来高値更新、マツダは72円高、日産は17円高で年初来高値更新、三菱自動車は21円高。スコットランドに足を向けて寝てはいけない。富士重工<7270>は売買代金6位で147円高で年初来高値更新。輸送用機器セクターは業種別騰落率4位だった。