【日経平均】値下がり率3位ソフトバンクが悪役で115円安

2014年09月22日 20:23

 前週末19日のNYダウはスコットランドの独立否決を好感し13ドル高で5日続伸し3日連続史上最高値更新。NASDAQ総合指数は13ポイント下落した。注目の超大型IPO、アリババの初値は公開価格68ドルを36.3%上回る92.70ドルで、終値は93.89ドルと順調。時価総額は約25兆円でトヨタ<7203>よりも多くなった。アメリカのヤフーはIPOセカンダリー投資用の換金売りなのか2.7%下落し、ソフトバンク<9984>のADR(米国預託証券)は東証終値比で0.9%下落した。先物やオプションの清算集中日でもありNY市場の売買高は前日の2.7倍。新型iPhoneの発売日だったアップルは0.8%下落。22日朝方の為替レートはドル円が109円近辺、ユーロ円が139円台後半で、前週は急進した円安もちょっと一服。

 オーストラリアのケアンズで開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議は、慢性的な需要の弱さを克服するために経済規模2%アップを目指す成長戦略、機動的な景気対策を求める共同声明を採択して閉幕した。日本には政府債務残高を持続可能とするように求めた。

 CME先物清算値は16210円。お彼岸の連休の谷間の日経平均は39.81円安の16281.36円でマイナスでスタートするがTOPIXはプラスで始まって堅調。NTのねじれの原因は先物に引っ張られたファーストリテイリング<9983>、ソフトバンクが安くトヨタやメガバンク銘柄が高いというそれぞれの寄与度上位銘柄の違い。日経平均は16300円に届かず、「NTねじれ現象」のまま午前9時台はズルズル下落し10時1分に16222円まで下がる。TOPIXも一時マイナスに落ちた。それでも為替のドル円が109円台を回復すると少し反発し、10時台前半は16240~16250円で推移するが、上海も香港もマイナスで始まるとTOPIXが再びマイナスに落ち、ソフトバンクの値崩れに伴って日経平均も下落していく。11時台には16200円も守りきれず、前場は安値引けの16189円で終了した。

 昼休みに為替が円高方向に動き、後場の日経平均は下げ幅拡大で再開。午後0時49分に16170円まで下げて底打ち。1時台はTOPIXとともにマイナス圏で落ち着いて16180~16200円の水準で小動きする。2時に8月の全国スーパー、食品スーパー売上高が発表され、全国スーパー売上高は既存店ベース0.1%減で5カ月連続マイナスになる一方、食品スーパー売上高は既存店ベース1.6%増で4カ月連続プラスと明暗がはっきり分かれた。2時20分すぎからソフトバンクの下落幅が拡大して16170円台まで下げるが、終盤は持ち直し大引け直前に16200円を突破。終値は115.27円安の16205.90円で3日ぶりに反落した。日中値幅は129円。TOPIXは-1.03の1330.88で反落しながら1330台は維持した。JPX日経400は+3.08で3日続伸。売買高は19億株。売買代金は2兆682億円で3日連続で2兆円を超えた。

 東証1部の値上がり銘柄数は768、値下がり銘柄数は923で全体の50%。33業種別騰落率は上昇16業種、下落17業種と拮抗。プラスセクター上位は鉱業、空運、銀行、卸売、医薬品、石油・石炭など。マイナスセクター下位は情報・通信、海運、パルプ・紙、水産・農林、食料品、金属製品などだった。

 日経平均採用225種は値上がり82銘柄、値下がり135銘柄。プラス寄与度1位はセコム<9735>、2位はエーザイ<4523>でともに+2円。アリババ上場で約8兆円の含み益を得ながら6.10%下落のひどい下げ方で珍しく値下がり率3位に入ったソフトバンクがマイナス寄与度1位で、-62円で下落幅の過半の54%を占める悪役ぶり。2位はファーストリテイリングで-10円だった。

 メガバンクはみずほ<8411>は0.1円安だが三菱UFJ<8306>は7.1円高、三井住友FG<8316>は40.5円高。りそなHD<8308>は売買高13位に入り18.8円高で年初来高値を更新した。群馬銀行<8334>が22円高、秋田銀行<8343>が9円高でともに年初来高値を更新するなど安倍内閣の「地方重視」を反映して地方銀行が買われ銀行セクターは業種別騰落率3位。野村HD<8604>は0.4円安で3日ぶりに反落した。

 トヨタは後場軟調になり2円安で9日ぶり反落。日産<7201>は8円高で年初来高値を更新し3日続伸。富士重工<7270>は8.5円高。三菱自動車<7211>はタイで生産する新興国向けピックアップトラック「トライトン」をフィアット・クライスラーにOEM供給すると発表し51円高で年初来高値を更新。マツダ<7261>は14円安だった。

 ソニー<6758>は24.5円安で16日の「年初来高値の蜃気楼」から4日続落しても売買代金6位。東芝<6502>は産業用モーターからレアアースを回収する技術を開発し2.1円高で年初来高値更新。新たな「都市鉱山」。シャープ<6753>は6円安。パナソニック<6752>は5円安だった。

 カーエレクトロニクス関連では、アルプス電気<6770>は次世代運転支援システムを開発と報じられ年初来高値を更新したが結局19円安。ヨコオ<6800>は「DSRC/ITSスポット基地用電界強度測定機」を開発したと発表し一時ストップ高の41円高で年初来高値を更新し値上がり率9位。車載情報機器のインフラITSやETCに関連する。カーエアコンのサンデン<6444>は4~9月中間期の営業利益見通し25億円を45億円に上方修正し年初来高値を更新したが結局10円安。