日本のテレビ局などが制作した番組の放送権や、ビデオ・DVD化権などの「放送コンテンツ」の海外輸出額が、2012年に1億3100万ドル(104.3億円)に達したことが、政府の調査で分かった。
総務省がまとめた「平成26年版 情報通信白書」によると、12年における日本の放送コンテンツの輸出額は104.3億円で、前年比1.6倍に増加した。一方、以前から韓流ドラマなどの輸出に力を入れる韓国の輸出額は、2億3400万ドル(186.3億円、2012年)と、日本の約1.7倍の水準。日本の放送コンテンツ輸出市場の成長は著しいが、ようやく2006年時点の韓国の輸出額に届いたところだ。
日韓ともに、海外市場を視野に入れたコンテンツ展開が目立つが、それぞれに特徴もある。日本の放送コンテンツの海外輸出額の構成比率は、最も多いものから「番組放送権」(59.6%)、「商品化権」(16.6%)、「ビデオ・DVD化権」(9.7%)、「フォーマット・リメイク権」(7%)、「インターネット配信権」(6.7%)と多彩だが、韓国では「番組放送権」が95.4%とほとんどを占める。
日本では一時、韓国ドラマが大ブームになり、今も一定数のファンを獲得しているが、韓国ではドラマが海外市場、というよりは日本市場を開拓する要になっている。「番組放送権」の輸出額に占めるジャンル別の割合をみると、日本は「アニメ」が41.7%と最も多く、次いで「ドラマ」(23.9%)、「バラエティ」(18%)の順だが、韓国は約9割が「ドラマ」だ。韓国の番組放送権の輸出先では「日本」が62.4%を占めており、アジアの中でも特に日本が主要な市場であると分かる。
一方、日本の番組放送権の輸出先は、最多が「その他アジア」(39.6%)、次いで「韓国」(17.5%)、「北米」(22.1%)、「ヨーロッパ」(16.2%)などとなっている。ドラマを中心に巨大な日本市場を開拓する韓国と、アニメを中心にアジア、北欧に売り込む日本という構図が明白だ。(編集担当:北条かや)