ディーセント・ワークとは「働きがいのある人間らしい仕事」と訳され、1999年国際労働機関において呼びかけられて以来、じわじわと浸透している概念である。
日本労働組合総連合会は、ディーセント・ワークに関する実態調査を26日までに行った。
「働きがいのある人間らしい仕事とはどのような仕事をイメージするか」という質問に対し、もっとも多かったのは「人の役に立つ・貢献できる仕事(191件)」。ついで「好きなこと・やりたいことができる仕事(80件)」「自分にあった・能力が活かせる仕事(80件)」「報酬が見合っている・きちんと評価されている仕事(77件)」「喜ばれる・感謝される仕事(69件)」「楽しい仕事(52件)」「満足感・充実感・達成感がある仕事(51件)」「やりがいがある仕事(46件)」等となった。「働きがいのある人間らしい仕事」とは、自己の充実と社会的評価の両面が求められるようである。
現在就業中、または就業経験のある968名に、どのようなところに「働きがい」を感じているか聞いたところ、「自分のやりたい仕事ができている(43.3)」が最も多く、「仕事を通じて自分が成長できている(40.0%)」、「責任ある仕事を任されている(39.9%)」「働きに見合った給与が支払われている(34.6%)」「自分の考えや意見を言いやすい(33.9%)」「仕事とプライベートの両立ができている(33.7%)」と続いた。
一方、「働きがいのある人間らしい仕事」を実現するうえで欠かせないと考えられる「労働環境・職場環境」「賃金」「労働時間・休日日数」「仕事内容」について、それぞれ満足度を尋ねたところ、もっとも満足できたのが「仕事内容(74.4%)」。ついで、「労働時間・休日日数(67.6%)」「労働環境・職場環境(65.3%)」「賃金(51.2%)」となった。7割以上の人が仕事内容に満足しているものの、賃金に関してはもっとも満足度が低いという結果となった
さらに、「社会保障制度(社会的保護)」についても同様に尋ねたところ、各種社会保障制度が、「重要」と答えた人は97.4%にのぼった。ただし、実際の機能に関しては、「機能している」「どちらかと言えば機能している」が59.1%、「まったく機能していない」「どちらかと言えば機能していない」が40.9%となった。
「働きがいのある人間らしい仕事」とは労働者のほとんどが求めるものである。しかし現実は必ずしもすべての面において満足できるものではないようだ。調査対象は、ネットエイジアリサーチのモバイルモニター会員を母集団とする 18歳~65歳の男女(ただし、現在、会社経営者または役員の人は除く)。(編集担当:堺不二子)