マイバッグ利用でレジ袋辞退率約7割 しかしレジ袋削減は本当にエコか?

2014年08月20日 12:26

画像・マイバッグ利用でレジ袋辞退率約7割 しかしレジ袋削減は本当にエコか?

環境保護や石油資源の無駄使いを抑制するという観点から、レジ袋使用について有料化を認める意見が増加している。イオンのレジ袋辞退率は年々増加し2013年で67.8%。同年11月から、食品売り場のレジ袋が有料化された。

 内閣府が、6月12日~22日の間に実施した「循環型社会形成に関する世論調査」で1,880人から回答を得た結果によると、レジ袋の有料化について賛成とした人は61.1%となった。賛成意見で最も多かったのは「資源の消費を抑制できるため」で74.0%、「マイバックを持参して買い物をしているため」とする人は58.9%で、マイバッグ運動が社会に定着していることが伺える。反対に、レジ袋有料化反対とする声には「レジ袋などは家庭で再使用しており、無駄にはしていない」が最も多く75.8%を占めた。またレジ袋に支払ってもいいという金額については「3~5円」が42.1%で、「1~2円」が30.7%、「6~10円」が8.8%だった。

 流通大手イオン<8267>では2013年11月1日から、全423店舗で食品売り場のレジ袋無料配布を終了。現在は小サイズ3円、大サイズ5円でレジ袋を有料で用意し、マイバスケットやマイバッグなどの持参を推進している。イオンでは07年から、レジ袋を辞退すると2円の割引をするサービスなどを実施しながら、徐々にレジ袋の無料配布中止を進めていた。レジ袋を有料化するにあたっては、その収益を地域の環境保全に役立て、社会貢献活動に取り組む団体などに寄付するとしている。イオンでのレジ袋辞退率は07年で16.4%しかなかったが、マイバッグ活動の広がりや、レジ袋辞退者に対する現金値引きサービスなどによって08年には48.0%、09年には60.0%に飛躍し、有料化が完了した13年には67.8%にまで伸びた。

 レジ袋を作るには1枚あたり18.3ミリリットルの石油が必要だ。日本では年間約300億枚が使用され、資源の無駄使いとして問題視されている。レジ袋の製造や廃棄に伴って温室効果ガスが発生していることなどにより、環境保護の視点からもレジ袋削減は必要な活動だと捉えられている。

 一方で、レジ袋削減が本当に環境に役立っているのか疑問視する見方もある。レジ袋をゴミ袋代わりに使用していた場合、レジ袋削減によってゴミ袋の消費量が増加する可能性もあるのだ。中部大学の武田邦彦教授は、レジ袋削減によって専用ゴミ袋を使うようになると石油の消費量が2倍になると指摘している。レジ袋削減効果を生かすには、過剰包装やトレー、パックの使用などを見直しながら、ゴミ全体の量を減らして行くことが必要だろう。(編集担当:久保田雄城)