ついにダイエーブランド消滅 イオンが完全子会社化

2014年09月26日 07:16

 先日、レッドキャベツを買収したイオン<8267>が、今度はダイエー<8263>を完全子会社とする。両社は24日、完全子会社化ための株式交換を行うことを決定し、この株式交換に関する株式交換契約を両社間で締結したと発表した。

 イオンはダイエーを昨年、連結子会社化した。以降、両社はダイエーの事業再建に取り組んできた。ダイエーの上期の業績は、新たな店舗モデル作りや利益率の改善は進んでいるものの、消費増税の買い控えの影響や、プロモーションの大幅な見直し等の影響もあり、客数が大幅に減少した。その結果、経費の追加削減策等あらゆる手段を講じて業績回復に努めたが、業績予想を下方修正する事態となった。

 これに対し、具体的な再建策としては、今後のダイエーグループは、店舗の9割が立地する「首都圏、京阪神」に活動領域を特化し、強みである「食品」に経営資源を集中し、一部ではイオンの店舗も加え、新たな業態を創造し、国内No.1の「総合食品小売業」を目指す。そして、このような改革のためにはダイエーが、意思決定のスピードアップや機動的な資金投下、人材の最適配置等が不可欠であり、イオンがダイエーを完全子会社化することが最善の策であると考えるに至ったという。

 経営統合後は、上記の施策を推進するとともに、ダイエーとイオンとの間の重複あるいは類似する事業領域・事業エリアについて、個社の垣根を廃し、グループ全体の観点から抜本的に見直しを行った上で、経営資源の整理・最適化を行っていく。具体的には、「首都圏、京阪神」以外の店舗、及びダイエーの子会社は、イオンとの間で再編についての検討を今後行っていく予定。ダイエーは首都圏と京阪神地域の食品スーパーの運営会社となり、「ダイエー」の屋号はなくなる。

 一例として、ダイエーが北海道エリアで展開しているGMS・SM事業は、それぞれイオン北海道株式会社及びマックスバリュ北海道株式会社と、また、九州エリアで展開しているGMS・SM事業は、同様にイオン九州株式会社及びマックスバリュ九州株式会社と、それぞれ再編する方向で、今後各社と具体的な検討を開始する予定だ。さらに、「首都圏、京阪神」で運営する一部の店舗についても、イオンリテール株式会社との間で再編を検討すると同時に、イオンリテール株式会社が「首都圏、京阪神」で運営する店舗のうち、ダイエーが構築する「食の総合小売業」業態へ転換することでより収益拡大が見込まれる店舗についても再編の対象として検討を開始する予定。さらに、ダイエーの保有する子会社についても、イオングループとの相乗効果の発揮を目的として、適宜再編を含めた検討を開始する予定である。

 株式交換比率は、イオン株が0.115、ダイエー株1となる。この完全子会社化によりダイエーは2014年12月26日で上場廃止となる。 (編集担当:慶尾六郎)