年金「不安」95.6%。老後の資金計画「具体性なし」50代最多

2014年10月12日 20:03

 厚労省は、基礎年金への加入期間を5年延ばす方針を打ち出した。65歳以降も年金をもらうまで働き続けることが前提であり、受給開始年齢を遅らせることを目的とした苦肉の策ともとれる。

 超高齢化社会に向けて高まる不安。株式会社マネースクウェア・ジャパンは年金に関する調査を行った。

 「年金への不安はありますか?」と聞いたところ、最も多かったのが「ある(66.8%)」。ついで「どちらかというとある(28.8%)」。「どちらかというとない(2.8%)」「ない(1.8%)」となっており、「ある」と「どちらかというとある」を合わせた95.6%の人が、年金に対して不安を持っていることが明らかになった。

 「老後、どのくらいの金額を年金でもらえるか知っていますか」との問いに対し、「現状支給されている年金の金額はわからない(51.0%)」が最多。ついで、「現状支給されている年金の金額は大体知っている(39.5%)」「現状支給されている年金の金額は知っている(9.5%)」となった。年金に対して不安を持っている人の半数近くが、年金についての具体的な金額についてあまりわからないと考えているようである。

 年金以外で老後の資金を賄うことが具体性を帯びてきている。「老後資金の準備について、いつから取り組もうと思っていますか」の問いに対して、20代は「20代から(35%)」、30代は「30代から(39%)」、40代は「40代から(36%)」取り組もうと思っている(または取り組んでいる)人の割合が最も高いという結果となった。ちなみに、近く年金受給対象者となると思われる50代のみ、「特に考えていない(42%)」が最多。

 実際に、「老後に対して、今から資産運用をしていますか?」と尋ねたところ、20代は75%、30代は70%、40代は77%、50代は66%と、どの世代も「していない」が圧倒的に多かった。

 今回の調査では、20代から40代の人は、年金受給を含めた老後の資金に対し不安を抱えていながらも、具体的な対策がとれていない人が多いという結果となった。(編集担当:堺不二子)