ユニクロ、子供服拡充により売上増加を狙う

2014年09月23日 08:32

 一時期と比べると、その勢いにやや陰りが見え始めた印象も受けるファーストリテイリング<9983>が運営する大手衣料のユニクロだが、そのユニクロがこれまで手薄とされていた子供服の品揃えを拡充するとの発表を行った。これにより、ファミリー層の顧客を獲得したい考えだ。

 19日、ユニクロは今年の秋冬モデルから乳幼児を含む子供服の種類を去年よりも5割増加させて約450点に拡充させると発表。また子供服を販売する国内店舗も6割増加させ、海外店舗においても子供服の売り場を拡張させるとしている。こうして世界での売上高のうち1割未満である子供服の売り上げを伸ばし、紳士服、婦人服同様に売り上げの柱としたいとしている。

 これまでユニクロの子供服については、男女兼用のものが多く、品揃えに対して不満の声が挙がることもあった。そうした状況を受けてユニクロは、今回男の子向けの迷彩柄や青色のもの、また女の子向けの柔らかい素材などを使用したフリースを新たに投入する。さらには東レ<3402>と共同開発したジャケットやコートも売り出す予定だ。

 この東レと共同開発したジャケットやコートには、服を汚すことの多い子供向けならではの工夫がなされており、汚れても手洗いすることができるようになっている。また新たに開発された素材「ウォームパデット」が中綿として使用されており、それにより羽毛に使い保湿性が得られるという。天然素材の羽毛は水洗いすると乾きにくく、衛生面や臭いの点で難が生じることもあるが、しかし新素材では耐久性や速乾性に優れたポリエステルをボール状に加工しているため、水洗いしても乾けばジャケットやコート全体に膨らみが戻る。

 さらには今後、ディズニーなどのキャラクターとコラボレートした商品の販売も行っていくとしている。
 
 またユニクロとしては、こうして子供服商品の拡充は行うものの、主力である紳士服や婦人服の品揃えについても縮小させることなく、これまで通りの販売体制を維持するとしている。

 国内では少子化が進行しているものの世界的には人口は増加傾向にあり、今回のユニクロの子供服の品揃え拡充には、そうした世界市場にて売り上げを伸ばしたいという狙いもあるようだ。(編集担当:滝川幸平)