【日経平均】NYダウの大幅3日続落に引きずられ364円安

2014年10月14日 20:12

 前週末10日のNYダウは買い直されプラスの時間帯もあったが結局115ドル安と続落し2ヵ月ぶりの安値。NASDAQ総合指数は102ポイントの大幅下落。ハイテク株全般に売りがひろがった。S&Pはフランス国債の信用格付けをネガティブに引き下げ。週明け13日のNYダウは30種全て下落し223ドルの大幅安で3日続落。NASDAQ総合指数は62ポイント下落した。世界経済の先行きや主要企業決算、さらにエボラ出血熱の報道も加わってリスクオフがマーケットをおおい、「コロンバス・デー」の薄商いで上昇の手がかりも欠き終盤はズルズル下げ一方。これが9月23日に条件が揃ったという「ヒンデンブルグ・オーメン」の呪いなのか? 14日朝方の為替レートはドル円が107円台前半、ユーロ円が136円台前半で、3連休の間に円高に振れドル円は一時106円台だった。

 ノーベル平和賞は女性や子どもの権利を訴えるパキスタンのマララ・ユスフザイさんとインドのカイラシュ・サトヤルティさんが受賞。17歳のマララさんは史上最年少の受賞者。著書の邦訳「わたしはマララ」が学研パブリッシングから出ている。サトヤルティさんの著書の邦訳はまだ出ていない。ノーベル経済学賞はフランスのジャン・ティロール氏(ツールーズ第1大学教授)が受賞した。授賞理由は「市場の力や規制についての分析」。「規制の経済学」などその経済理論はEU諸国の金融規制、産業規制に影響を及ぼしているという。著書の邦訳は「銀行規制の新潮流(共著)」「国際金融危機の経済学」が東洋経済新報社、「テレコム産業における競争(共著)」がエコノミスト社から出ている。これでノーベル賞ウィークは終了。国籍ではなく出身国で数えると日本人は3人でアメリカ人と並んで最多だった。それに次ぐのがフランス人とノルウェー人の2人。

 中国の9月の貿易収支は15.3%増で8月の9.4%増も市場予測も上回ったが、中国の新車販売台数は8月の4%増から2.5%増に減速。CME先物清算値は14835円。取引時間前に9月の国内企業物価指数が発表され、3.5%増で市場予測の3.6%とほぼ同じ。9月のマネーストックはM3が2.5%増、M2が3%増だった。台風一過の日経平均は263.68円安の15036.87円と大幅に5日続落で始まる。TOPIXは1221.11でスタート。大台割れで始まった日経平均先物に導かれ午前9時3分に15000円を割り込むのは8月11日以来約2ヵ月ぶり。TOPIXも1220を割る。9時18分に日経平均は14939円、TOPIXは1212.42の安値をつけるが、そこから徐々に戻し10時20分すぎに15000円の大台に安定的に乗せ、TOPIXも1220台に戻した。香港では騒乱おさまらずハンセン指数は下落したが上海総合指数は上昇。日経平均は15000円を割ることなく11時台は11時23分に15089円まで上昇し、前引けは15079円だった。

 後場はやや安く再開するが、日経平均は、15000円の大台、TOPIXは1220を超える水準をしっかりキープ。為替のドル円は107円台前半で安定するが上値は追えない。しかし2時前に日経平均は15000円、TOPIXは1200を割り込む。ドンと下げるのではなく徐々に静かに下がっていくパターン。2時30分を回ると下げ足を早め、2時38分にこの日の安値の14919円をつける。9月25日の年初来高値から12日で約1400円も下げたので「追証発生がらみの投げ売り」というヤケッパチムードの言葉まで聞かれる始末。終盤は少し戻しても15000円台回復はならず、終値は364.04円安の14936.51円で5日続落した。「オバマショック」の8月8日以来の終値15000円割れ。日中値幅は170円あった。TOPIXは-28.82の1214.27。売買高は27億株、売買代金は2兆6864億円だった。

 東証1部の値上がり銘柄は131、値下がり銘柄は1672で全体の91%を占めた。33業種別騰落率は全業種マイナス。下落幅が小さい業種は水産・農林、鉱業、小売、繊維、食料品、鉄鋼など。下落幅が大きい業種は空運、精密機器、輸送用機器、不動産、証券、陸運などだった。

 日経平均採用225種は値上がり9銘柄、値下がり214銘柄。プラス寄与度1位は日本ハム<2282>、2位は富士フイルムHD<4901>でともに+1円。マイナス寄与度1位は野村證券がレーティングを引き上げても960円安のファーストリテイリング<9983>で-37円、2位はソフトバンク<9984>で-26円。

 メガバンクはみずほ<8411>は2.3円安で年初来安値更新、三菱UFJ<8306>は12円安、三井住友FG<8316>は96.5円安。大和証券G<8601>21.5円安、野村HD<8604>19.2円安と証券セクターは悪かった。国内ほぼ全車種に2018年をメドに衝突回避システムを搭載する話題があったトヨタ<7203>だが242円安。中国での販売が落ち込んだ日産<7201>は20円安。ホンダ<7267>は69円安、マツダ<7261>は88円安、富士重工<7270>は108円安。スズキ<7269>は軽自動車税の増税が響き7~9月期の営業利益が前年同期比1割強減少の400億円程度で8四半期ぶりの営業減益という業績観測記事が出て75円安。輸送用機器セクターは31位と不振だった。

 東芝<6502>は9月のフランスに続き、ブラジルでもスイス子会社のランディス・ギア社がスマートメーター(次世代電力計)約110万台を新規に受注と報じられたが、半導体関連の軟調に巻き込まれ11.7円安。日立<6501>は22円安、ソニー<6758>は60円安、パナソニック<6752>は37.5円安、シャープ<6753>は12円安、NEC<6701>は10円安。OKI<6703>は11円安。

 アメリカのマイクロチップ・テクノロジーズが10日、中国市場での需要鈍化を理由に7~9月期業績の下方修正を発表するとインテルなど半導体関連銘柄がゾロゾロ連れ安し、「SOX指数」も10日は約7%、13日は約2%下落。その影響が日本の関連銘柄にも波及し、東京エレクトロン<8035>は451円安で値下がり率9位、アドバンテスト<6857>は48円安、シリコンウエハーのSUMCO<3436>は51円安、信越化学<4063>は132円安と揃って下落した。14日にインテルの7~9月期決算が発表されるが、この悪い流れにストップをかけられるだろうか?

 小型自動旋盤のツガミ<6101>は11時に4~9月中間期の営業利益見通しを40億円から47.6億円に上方修正。同時に150万株、9億円の自社株買いを発表し6円高。津田駒工業<6217>は11月通期の業績見通しを下方修正、期末配当を無配とし4円安で終えた。