【今週の展望】ハロウィン直前10月の魔物は最後の大暴れ?

2014年10月26日 20:12

 新規IPOは今週1件ある。30日にアルファポリス<9467>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、ネット上で話題になっている小説やマンガなどのコンテンツを書籍化する事業を行っている。「文化の日」直前にふさわしい? 公開価格は2200円。

 海外の経済指標は、27日のドイツのIFO景況感指数はヨーロッパ経済、30日のアメリカの7~9月期GDP速報値はアメリカ経済の現状をマーケットが判断する大きな材料にされそうだ。28~29日のFOMCは、29日に何らかの形で量的緩和第3弾(QE3)の「終了」が告げられる見込みだが、まさかの土壇場でのどんでん返しで延長とか、それと逆に利上げの条件設定やスケジュールが出たりしたら、マーケットが騒ぐのは必至。

 27日はドイツの10月のIFO景況感指数、アメリカの10月のマークイットサービス業購買担当者景気指数(PMI)速報値、9月の中古住宅販売仮契約指数、28日は中国の9月の工業利益、アメリカの9月の耐久財受注、8月のS&Pケース・シラー住宅価格指数、10月のリッチモンド連銀製造業指数、CB消費者信頼感指数、30日はドイツの10月の失業率、消費者物価指数(CPI)速報値、アメリカの7~9月期の国内総生産(GDP)速報値、31日はユーロ圏の9月の消費者物価指数(CPI)速報値、9月の失業率、アメリカの9月の個人所得、個人支出、10月のシカゴ購買部協会景気指数、ミシガン大学消費者信頼感指数改定値が、それぞれ発表される。

 28~29日にアメリカのFOMC(連邦公開市場委員会)が開かれる。今回はイエレンFRB議長の記者会見は予定されていない。29日はブラジルの中央銀行が政策金利を発表する。30日にイエレンFRB議長が講演する。

 アメリカ主要企業の7~9月期決算はピークが続く。27日はメルク、ツイッター、28日はコーニング、ファイザー、マリオット、フェイスブック、コーチ、フリーポート・マクモラン、ギリアド・サイエンシズ、29日はラルフローレン、VISA、30日はマスターカード、ケロッグ、スターバックス、ニューモント・マイニング、 リンクトイン、31日はエクソンモービル、シェブロンが発表する予定。

 今週末の金曜日、10月31日は「ハロウィン」。ケルトの伝説がルーツで、森や野原にすむ魔物たちは11月1日の「万聖節(諸聖人の祝日)」に成敗される運命なので、「明日をも知れぬ身ならば」と思い切りハメを外して、いたずらして暴れておこうという日。それが現代では「魔物のコスプレをしていたずらをする日」になった。いたずらされたくなかったらお菓子を渡してなだめることになっている。

 現代は、森や野原だけでなく証券取引所にも魔物がすんでいて、「10月には魔物がすむ」というアノマリーがある。今年の10月も日米欧で突然の急騰、急落、乱高下、底が見えない続落など魔物は好き勝手に暴れてくれて恐怖指数(VI)をはね上げた。もう一つ、「ハロウィン効果」というアノマリーもある。株価は10月31日のハロウィンの日にかけて下落するが、この日あたりを底に11月は上昇に転じる、というもの。実際はどうだったかというと、1994~2013年の過去20年間の10月20日、10月31日、11月10日の終値(その日が休場の場合は前営業日)がそのアノマリー通りに「V字型」を描いたパターンは、NYダウは5回で確率25%だったが、日経平均は8回で確率40%。10月中に限定して10月20日から31日のハロウィンにかけて下落したパターンは、NYダウは7回で確率35%だったのに対し、日経平均はなんと17回で確率は85%もあった。「ハロウィン効果」のアノマリーは、ハロウィンの本場と言ってもいいアメリカのNY市場よりも、今や東京市場のほうがより強く現れている。「10月には魔物がすむ」のその魔物は、統計的には平将門の怨霊ゆかりの東京・兜町でハロウィン直前、最後の大暴れをやってくれる確率が高くなっている。

 しかし、アノマリーはあくまでもアノマリー。今年のハロウィン前の状況は、前々週まで4週連続マイナスで1788.66円も下落した大底からの「リハビリ」の過程の途中。前週は759円上昇して前々週の下落分をほぼ埋めたが、4週分1788円に対しては約42%でその半分も戻していない。とは言いながら、24日のテクニカルポジションは17日の「いくら何でも売られすぎ」の状態からけっこう改善しているので今週、500円とか600円の大幅上昇はちょっと望み薄だろう。