【日経平均】日銀大緩和ウルトラサプライズ暴騰755円高

2014年10月31日 20:33

 自動車大手は円安進行を背景に快調。トヨタ<7203>238円高、ホンダ<7267>156円高、日産<7201>47.8円高。富士重工<7270>は4~9月中間期決算を発表し、売上高16%増、営業利益23%増、純利益13%増。通期見通しは売上高を600億円、営業利益を420億円、純利益を260億円ぞれぞれ上方修正し年間配当予想を56円から62円に増額修正すると246円高だった。

 電機大手はソニー<6758>は17円高、NEC<6701>は14円高、日立<6501>は38.5円高。東芝<6502>は前日4~9月中間期決算を発表。売上高は4%増、営業利益は8%増、純利益は43%増で7年ぶりの高水準。通期見通しを据え置き年間配当未定としたが20.7円高。シャープ<6753>は後場に4~9月中間期決算を発表し液晶テレビが不振で売上高は1.1%減、営業利益は13%減だったが、最終損益は赤字から47億円の黒字に転換。通期は売上高見通しを1000億円下方修正しておりマイナスになる時間もあったが終値は地合いに助けられ7円高。しかし富士通<6702>は「地政学的リスクなど不確定要素が多い」と通期見通しを据え置いたのを問題視され25.7円安と逆行安した。

 アルプス電気<6770>は昼休みに4~9月中間期決算を発表し、売上高7%増、営業利益75%増、純利益2.4倍。通期見通しは売上高を250億円、営業利益を100億円、純利益を75億円それぞれ上方修正し85円高。キヤノン<7751>は今年3度目の1700万株、500億円上限の自社株買いを発表し売買代金10位で149円の大幅高。ヤマトHD<9064>も自社株買いで減益決算をマスクして224円高で年初来高値更新。NTTドコモ<9437>は2015年2月から携帯電話とNTT<9432>の固定通信のセット販売を始める方針を固め85.5円高。NTTは467円高。高浜原発3、4号機が今冬にも原子力規制委員会の安全審査に合格する見通しになった関西電力<9503>は16円高だった。

 武田薬品<4502>は4~9月中間期決算を発表し営業利益6.2%増、純利益22%減。通期は営業利益7.7%増、純利益20.3%減だが147円高。アステラス製薬<4503>は4~9月中間期は増収増益で通期の売上高、営業利益見通しを上方修正し期末配当を増配すると61.5円高で年初来高値更新。テルモ<4543>は心不全の患者自身の細胞を培養してその心臓に貼り機能の回復を促す画期的な再生医療への参入が報じられ196円高で年初来高値更新。自己細胞なので危険な拒否反応が起こらないという。資生堂<4911>が後場発表した4~9月中間期決算は純利益4.5倍で市場予測を上回り101.5円高。通期の純利益も14%増の見通し。キリンHD<2503>の1~9月決算は第3のビールが不振で営業利益24%減とふるわず、通期の営業利益も23%減の見通しだが後場浮上し28円高。

 不動産セクターは金融緩和期待が現実になって後場急騰し業種別騰落率トップ。三井不動産<8801>は286円高で売買代金8位、住友不動産<8830>は447.5円高で同13位。三菱地所<8802>は4~9月中間期の営業利益が9.5%減と悪く、通期は営業利益、純利益とも減益見通しだが後場「黒田さんのおかげ」で377円高で売買代金9位、値上がり率6位。日銀に足を向けて寝られない。ケネディクス<4321>はストップ高の73円高で久々ランキング入りし売買高10位、値上がり率3位。逆に空運セクターは業種別騰落率最下位で唯一のマイナス業種。JAL<9201>は27円安、ANAHD<9202>は0.6円高、スカイマーク<9204>は5円安で続落。成田空港会社がターミナル使用料などで大手よりLCCを優遇する策を打ち出していた。

 オリエンタルランド<4661>が前日発表した4~9月中間期業績は売上高は減収、営業利益は減益だが純利益は1%増の363億円で過去最高益を更新。通期見通しは673億円に上振れし1130円高で年初来高値更新。2023年度までにTDLの人気エリア「ファンタジーランド」を2倍に拡張し、シー(TDS)にも新エリアを建設する計画を発表した。投資額は5000億円。ゲームコンテンツは現実離れしたファンタジーの花盛り。前日新規上場したアルファポリス<9467>も「ファンタジー」の書籍化に力を入れる。「ファンタジー」は今後、収益性有望なキーワードと言ったらリアルすぎるか? 新興市場は日経ジャスダック平均が0.69%、東証マザーズ指数が1.25%それぞれ上昇。ミクシィ<2121>が150円高と堅調だった。

 この日の主役は何と言っても「日銀総裁・黒田東彦」。追加金融緩和の中身は、「マネタリーベース(資金供給量)を10~20兆円上乗せし年約80兆円まで拡大」「中・長期国債の買い入れペースを年間約50兆円から約80兆円へ増やす」「ETFとJ-REITの保有残高を今までの3倍まで増やし、ETFはJPX日経400連動タイプも加え年間約3兆円、J-REITは年間約900億円を買い入れる」というアグレッシブな内容。日銀政策委員の賛否が真っ二つに割れたのを「総裁の最終決断」で5対4で通した。「どうせまた、いつも通りの金融政策現状維持だろう」という大方の見方をひっくり返す「黒田ハロウィン緩和」で世界を驚かせた黒田東彦、げにおそるべし。(編集担当:寺尾淳)