青森県、弘前大学、イオン<8267>は28日、産学官による青森県の健康寿命延伸に向けて、新たに協力体制を発足すると発表した。今回の取り組みは、平均寿命が全国最下位の青森県の「短命県返上」を目標とする。三者が持つ強みを生かし、野菜の摂取量が少ない、運動習慣が少ない、脳卒中など加齢性疾患の死亡率が高いなど、青森県が抱える医療課題の解決に向けて協力して取り組む。
弘前大学は、これまで県内岩木地区で健康増進プロジェクトを実施し、ビッグデータを得た。2013年秋には、弘前大学を拠点に県や企業の参画により産学官金で取り組む「脳科学研究とビッグデータ解析の融合による画期的な疾患予兆発見の仕組み構築と予防法の開発」が文部科学省の革新的イノベーション創出プログラム「COI STREAM」に採択され、ビッグデータ解析や予防医学に取り組んでいる。これらは同県が2011年に策定した「青森ライフイノベーション戦略」 の実現に大きく貢献するもの。
一方、イオンは2011年4月に青森県と包括協定を締結し、県民の健康増進に協力して取り組んできた。このたび、弘前大学のCOIプログラムをさらに推進するため、生活者と日々の接点を有するイオンが、新たに共同研究に参画する。弘前大学とイオングループの中核企業であるイオンリテール株式会社が共同研究契約を締結し、協力して研究に取り組むという。
まずは、10月28日からイオンモールつがる柏(青森県つがる市)で、ウォーキングで健康増進をはかるプログラム「つがる健康ポイント」を開始した。屋外での運動が困難になる冬季(~3月24日)を対象とし、天候にかかわらずウォーキングできるイオンモール内を中心に、一日3000歩以上の継続的なウォーキングを推奨する。また、参加者の意欲や健康意識を高めるため、歩数に応じて健康ポイントの付与や、血圧、骨密度、体組成の定期的な測定会を実施する。
健康ポイントや測定結果の記録には、イオンの電子マネー「WAON」を利用する。「WAON」を活用したイオンの電子版健康手帳「からだメモリ」に測定結果が蓄積されることで、参加者自身が健康増進を実感でき、運動の習慣化を促進する。青森県、弘前大学、イオンは今後もこの取り組みを継続的に実施する方針だ。(編集担当:慶尾六郎)