14年の国内IT製品市場は14兆4352億円に XPサポート終了による更新需要で微増

2014年11月15日 18:45

 IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社は、2014年第2四半期(4~6月)の実績、および最新の景気動向などに基づき2014年~2018年の国内製品別IT市場予測を発表した。

 これによると2014年の国内IT市場規模は、14兆4352億円、前年比成長率は0.4%と予測した。国内IT市場を構成する国内ハードウェア市場、国内ITサービス市場、国内パッケージソフトウェア市場の2014年の市場規模と前年比成長率は、それぞれ6兆5916億円、マイナス2.3%、5兆1720億円、2.8%、2兆6,717億円、3.0%と予測。国内IT市場に国内通信サービス市場を加えた国内ICT市場の2014年の市場規模は25兆3965億円、前年比成長率はマイナス0.7%と予測した。

 2014年は、これまで国内IT市場の成長をけん引してきたスマートフォン市場が2桁のマイナス成長に転じるにもかかわらず、前年比微増と予測した。最大の理由は、Windows XPサポート終了によるPCの更新需要が、2014年5月以降も続いたことで、PC市場の縮小が緩やかになったことにあるとした。

 国内IT市場の2013年~2018年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は0.8%、国内ICT市場のCAGRはマイナス0.4%と予測。2018年の国内IT市場規模は14兆9745億円、国内ICT市場規模は24兆9946億円と予測した。

 スマートフォン市場における2桁のマイナス成長に見られるように、2014年以降モビリティ分野における成長減速が顕著になる。第3のプラットフォームにおけるモビリティ分野のシェアは非常に大きく、今後もモビリティを活用した戦略的IT投資に期待がかかる一方で、ITユーザー企業は、人材不足や既存システムの保守運用コストに予算が取られるなどの弊害要因が山積している。IDC Japan ITスペンディング グループマネージャーの廣瀬弥生氏は「ITベンダーは、課題を認識している大企業のエンドユーザーを中心に、戦略的IT投資を実現できるための構造的な解決に向けて、ステップを踏んで解決するプランを作成するなど、より現実的な提案を実施すべきである」と分析している。(編集担当:慶尾六郎)