参院選は無効でないが違憲状態と最高裁大法廷

2014年11月27日 10:07

 参議院選挙での一票の格差をめぐる裁判で、最高裁大法廷は26日、最大4.77倍の較差が生じた昨年の参院選挙について「定数配分規定は違憲状態」としたものの、「選挙は無効ではない」との判決を行った。

 日本弁護士連合会の村越進会長は「判決は国会の怠慢を容認し、民主主義の過程そのものの歪みを延長させるものであって、裁判所が果たすべき職責に照らし不十分なものと言わざるを得ない」との声明を出した。

村越会長は「2012年10月17日の大法廷判決は現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置を講じるよう指摘した。しかるに、国会は定数を4増4減にする改正のみを適用して選挙を施行したため、選挙当時、鳥取県の有権者が1票の選挙権を持つのに、北海道の有権者は僅か約0.2票分の選挙権しかないという不平等が生じていた。(選挙制度改革は議員自身の利害が絡むため、議会自らによる改革を期待しにくい。それならば中立の裁判所が違憲審査権を積極的に行使して、民主主義の過程の歪みを解消できるように主導権を発揮すべきで)判決は国会の怠慢を容認し、裁判所が果たすべき職責に照らし不十分なものと言わざるを得ない」とした。

 民主党の海江田万里代表は「最高裁の判決を真摯に重く受け止め、少なくとも次の参院選までに1票の較差是正と定数削減は行わなければいけない。今日の最高裁の判決であらためて衆院と参院の1票の格差是正と定数削減が選挙の争点になってきた」と語った。

 社民党の又市征治幹事長は「立法府の不作為として重く受け止めねばならず、格差是正に向けた選挙制度の抜本改革に早急に取り組むべき」との談話を発表した。(編集担当:森高龍二)