光岡自動車は、エヴァンゲリオンのメカニックデザイナー山下いくと氏がカラーリングデザインをした「セブン-イレブン限定 光岡自動車 エヴァンゲリオン オロチ」を製作し、販売する。
「ファッションスーパーカー」をコンセプトに2001年の第35回東京モーターショーで発表され、06年10月に発売開始された光岡「オロチ」は今年4月に「ファイナル・オロチ」として5台発売し新車販売を終えた。今回の「エヴァンゲリオン・オロチ」は光岡自動車で保有使用していた「オロチ・ゴールドプレミアム(走行距離:約2.4万km)」のデモカーをベースにしている。
中古車ベースのスーパーカーだから心配ということは全くない。オロチはイメージこそ外国のバックヤードビルダーが作るスーパーカー然としているが、れっきとした日本車だ。エンジンやミッションは輸出用「クルーガー」やレクサス「RX」で使われているトヨタ<7203>製でブレーキはホンダ<7267>「レジェンド」用、内装には広島で作られたものやスズキ<7269>やマツダ<7261>車用を使っている。外国製バックヤードビルダー車のように車検毎のエンジンオーバーホールや、新車購入数か月でライト類が片方点かないみたいな心配は全くない。
思い起こせばパワーアップや軽量化、エアロダイナミクスの向上等、性能の進化はなかった。新しく出てきたオロチはどれも雰囲気の向上ばかりだった。装飾を減らしボディカラーを1色のみとすることで1000万円を切る価格を実現した「オロチ・ゼロ」、軽量化のためじゃなく装飾のためにカーボンパーツを使い、スカッフプレートやアームレストに兜の装飾を施した「オロチ・カブト」、ギター風の木目調パネルを使い、シートにはギターの弦を模した刺繍をあしらった「オロチ・リッケンバッカー」、専用エアロパーツやノーマルとは異なるサウンドを演出するスポーツマフラー、アルカンターラを使用した内装が贅沢な「オロチ・ゴールドプレミアム」、そして今回の「エヴァンゲリオン・オロチ」も。そのどれからも強い意志や熱い想いを感じた。
06年の発売当時、生産予定台数の400台はすぐに売り切れると思っていた筆者は環八にあるショールームに短期間展示するという情報を得てすぐに行った。それが生産車との初対面だった。その2年後に初めて運転した。実車を感じることで「ファッションスーパーカー」の意味がわかった気がした。あれから8年。発表から数えると13年の歴史に幕を下ろす。(編集担当:久保田雄城)