ファミリーマートにゆうちょATM 利便性を高めて集客狙う

2014年12月05日 09:32

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ファミリーマートは11月26日、東京都千代田区の「一番町店」でゆうちょ銀行のATM設置披露会を行った。今後は2015年3月までに500店で設置する予定で、ゆうちょ銀行ATMのコンビニ本格導入が始まることになる

 ファミリーマート<8028>は11月26日、東京都千代田区の「一番町店」でゆうちょ銀行のATM設置披露会を行った。今後は2015年3月までに500店で設置する予定で、ゆうちょ銀行ATMのコンビニ本格導入が始まることになる。対象店舗は首都圏や関西圏が主となり、10年3月に吸収合併した「am/pm」(エーエム・ピーエム)」に置かれていた三井住友銀行のATMを、順次交換していく形で進められる。

 ゆうちょ銀行ATMの口座への預け入れ・引き出しの手数料は365日無料で、提携金融機関の約1,500社のキャッシュカードも利用できる。営業時間は、平日・土曜日深夜0時5分~23時55分まで。日祝は当面、深夜0時5分~21時までとなっているが、15年1月5日より平日と同時刻の営業時間へと延長する予定。ただし通帳での取り引きや通常払い込み、定額・定期貯金には対応していない。

 ゆうちょ銀行の利用者には高齢者が多く、地域に点在するコンビニにATMを設置することで、集客に繋がると見込まれている。実はコンビニの利用客は年々高齢者層が増えている。セブン&アイ・ホールディングス<3382>が発表している「年齢層別来客割合」を見てみると、1989年では20代の利用者割合が最も多く34.6%で、50代以上は9.0%程度に過ぎなかった。しかし、2008年には20代が25%、50代以上が26%と逆転し、13年では20代が19%、30代が21%、40代が20%であるのに対し、50代以上が30%となり、もっとも多くの割合を占めた。

 少子高齢化が進み、人口に占める高齢者の割合が増加している中、小売業界ではシニア層の取り込みが集客の要となっている。車で来店することが想定されているスーパーやショッピングモールなどと比較して、コンビニは住宅地にも多く設置されており、尚且つ徒歩圏内にあるということが大きな強みだ。ファミリーマートの中山勇社長は、「地方ではゆうちょ銀行の利用率が高い」とも述べており、3月以降、都市部に限らず地方各地でゆうちょ銀行ATM導入を進めていくことを検討している。(編集担当:久保田雄城)