3日のNYダウは33ドル高で2日続けて史上最高値更新。NASDAQは18ポイント上昇した。ECB理事会での緩和期待でヨーロッパ市場は堅調。ADP雇用レポートは市場予測を下回ったが、ISM非製造業景況指数が59.3で市場予測を上回り、ベージュブックも景気懸念を微塵も感じさせない内容だったので終盤にかけて上昇した。4日朝方の為替レートはドル円は円安が進んで119円台後半で120円に接近中。ユーロ円は147円台半ばで円高方向に振れていた。
新聞各紙に総選挙の議席獲得予測が載り、自民党または連立与党が「300議席」という見出しが並んだ。日経平均は161.48円高の17881.91円で始まる。TOPIXも11ポイントを超える大幅上昇。序盤ですぐに17900円にタッチするが、タッチしてもなかなか上値を追い切れず、午前9時15分、17912円をピークに下落し、9時台はおおむね17830~17860円のレンジで動く。上海も香港もプラスで始まるが反応薄。ドル円が120円から遠ざかると10時55分に17813円まで下げる。ECB理事会待ち、アメリカ雇用統計待ちの様子見ムードに加え、ドル円が120円に届きそうで届かなかったことが投資家の心理に微妙に影響し、前引けは17849円だった。
後場は17860円台で再開するが17800円台後半で動きが乏しくなる。午後1時台の前半にはドル円が再び120円に接近し日経平均も17900円に接近するが、ドル円が1時台後半に折り返すとあっさり17850円付近まで下落する。そんな「上値追いに決め手を欠く」状況が続いて2時台も17900円に近づいては離れを繰り返し、後場の日経平均は上下60円程度しか動かない。そのまま大引けになり終値は166.78円高の17887.21円で年初来高値更新。日中値幅は99円。TOPIXは+10.85の1440.60で、日経平均ともども年初来高値を更新し5日続伸した。売買高は22億株、売買代金は2兆3985億円だった。
プラスセクター上位はゴム製品、パルプ・紙、空運、鉱業、保険、繊維など。マイナスセクター下位は水産・農林、不動産、食料品、陸運、電気・ガス、情報・通信などだった。
4日のNYダウは12ドル安で3日ぶりに反落。NASDAQ総合指数は5ポイント下落した。一時97ドルまで下落した最大の原因はECB理事会の結果発表とドラギ総裁の記者会見。政策金利は据え置きで、国債購入を含む量的緩和策への期待を裏切って具体的には何も出ず、記者会見で「来年の早い時期に金融政策が適切かどうか見直す」とほのめかしただけ。失望したマーケットはユーロ高と欧米市場の株安で反応した。それでも新規失業保険申請件数が改善して30万件を割り5日の雇用統計に期待をつないだことなどで、午後には取引時間中の史上最高値を更新した時間帯もあった。為替のドル円は7年4ヵ月ぶりに120円台にタッチし5日朝方は119円台後半。一時149円寸前までいったユーロ円は148円台前半に落ち着いた。
日経平均は65.36円安の17821.85円で反落スタート。TOPIXも反落。序盤は17800円台は維持していたが、10分ほどで17800円を割って急落。午前9時22分に17759円で底を打った後はV字回復し17800円台に戻った。これで「ECBショック」を織り込んだ形。10時1分に17849円まで上昇するがプラスには浮上できない。でも前場マイナスのままなら後場に日銀が助けてくれる期待が生まれる。上海総合指数も香港ハンセン指数もプラスで始まり10時32分に17853円の前場のピークをつけるが、10時、11時台は17840円を軸に上下10円程度の小動きが続き、前引けは17850円。
後場は前引けとほとんど同水準で始まり、下落幅を縮めて午後0時43分、前日終値に10円差の17876円まで上昇するがそこで頭を抑えられいったん凹む。それでも1時前から上昇に転じ、TOPIXを露払いに1時20分頃にはプラスに浮上した。「日銀砲」が炸裂し日経平均は17900円を超え、1時16分には17914円まで上昇してザラ場中の年初来高値を更新した。1時台は下押しされてもマイナスまで落ちない。為替のドル円は120円台に安定的に乗っていた。2時に内閣府から10月の景気動向指数速報値が発表され、一致指数は9月比で0.4ポイント上昇し110.2で2ヵ月連続上昇。先行指数は9月比で1.6ポイント下落し104.0で2ヵ月ぶりに低下した。2時台、金曜日の利益確定売りなのか日経平均は一時マイナスに落ちて17870円付近まで下落するが、V字回復で17900円台に戻る。終盤は高値引けを試すように上昇して2時58分に17922円まで上昇し、終値は33.24円高の17920.45円で6日続伸し、5日間全勝、前週末11月28日終値から460.60円上昇して今週の取引を終えた。終値も年初来高値更新。日中値幅は163円。TOPIXは+5.07の1445.67でこちらも6日続伸し年初来高値更新。売買高は20億株、売買代金は2兆3027億円。
プラスセクター上位は保険、金属製品、水産・農林、機械、証券、化学工業など。マイナスセクター下位は小売、陸運、建設、空運、精密機器、倉庫などだった。(編集担当:寺尾淳)