国民の知る権利損なわれないように対応と菅長官

2014年12月10日 08:34

特定秘密保護法が10日施行される。菅義偉官房長官は9日の会見で「昨年12月に法律が成立して以降、政府は情報保全諮問会議や国民の皆さんの意見を踏まえながら関係政令や運用基準の制定など施行準備を慎重に、丁寧に進めてきた。政府としてはしっかり運用して、施行状況の国会報告、公表を国民の知る権利が損なわれないようにしっかり明らかにしていきたい」と語った。

 また、国民の理解を得られていると思うかとの記者団の問いに「国会でも審議した。法律に基づいて、これからも国民に理解を得られるよう努めていきたいと思っている」と理解が十分ではないとの認識をうかがわせたうえで、理解を得るための対応を継続していく考えを示した。

 日本新聞協会は9日まえに、上川陽子法務大臣に対し「国民の知る権利や取材・報道の自由を阻害しかねない」などとして「運用基準に『報道または取材の自由については、国民の知る権利を保障するものとして十分に配慮する』などの文言が盛り込まれたが、疑念がすべて払拭されたとはなお言い難く、適切な運用を強く求める」と意見書を手渡した。

 また、意見書では「特定秘密に指定された情報の国会への提供について『我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めることについて、行政機関の長の同意を得た場合に限る』としている。国会の情報監視審査会が指定の取り消しなどを勧告しても行政機関が従わない場合、行政機関にさらなる説明責任を課すなどの措置が必要」とより実効性が期待できる措置を求めた。(編集担当:森高龍二)