働く者にとって最も関心のあるもの、それはやはり賃金ではないだろうか?もちろん「やりがい」や働くことによって得られる「充実感」なども重要なことではあるが、しかし働くことによって得られる賃金があってこそ、さらに言うと「満足することのできる賃金」があってこそ、初めて「やりがい」も「充実感」も得られるのではないだろうか?
そして12日、自動車や電機など主要製造業の産業別労働組合でつくられる全日本金属産業労働組合協議会(金属労協)は、2015年春闘の闘争方針を決定。それによれば、定期昇給分を確保したうえで月6000円以上のベースアップ(ベア)を要求するとしている。こうしてベアを要求するのは2年連続のこととなる。また月6000円以上のベアは、1998年に7000円のベアを要求して以来、17年ぶりの高水準となる。
金属労協は景気の先行きに不安はあるものの、デフレ脱却には継続的な賃上げが必要と考え、14年の交渉にて1%以上のベア要求に続いて、今回も月6000円以上のベアを要求するとしている。また15年春闘では連合が2%以上のベアを要求する方針を決定しており、これを受けて金属労協は組合員の標準賃金の2%にあたる6000円を要求額として策定したとみられている。
そして金属労協は同日、東京都内で協議委員会を開催。そこで、定期昇給分を確保したうえで月6000円以上のベア要求という15年春闘の闘争方針案を決定した。また金属労協の相原康伸議長は、14年の交渉で傘下の労組の約6割が賃上げに成功した例を挙げて、デフレ脱却の第一歩として一定の成果を上げたとし、この流れをより確かなものにしたいとの方針を示した。
また金属労協はそのホームページ上にて「2015年闘争の推進(案)」を公開しており、そこで「消費税率5%から8%への引き上げの経済への影響は、予想外に大きなものとなりましたが、デフレ脱却と景気回復を確実なものとし、経済の好循環を図るべく、継続的な賃上げと労働条件の向上による個人消費の回復が決定的に重要となっています」と述べている。(編集担当:滝川幸平)