今年7月から9月期のGDP(国内総生産)の『2次速報値』が8日、内閣府から発表された。実質成長率は1次速報値(年率マイナス1.6%)よりさらに「下方修正」され『年率マイナス1.9%』となった。また、『名目GDPは年率マイナス3.5%』となった。
2次速報によると、民間企業設備がマイナス0.2%からマイナス0.4%に、民間住宅もマイナス6.7%からマイナス6.8%に、公的需要も0,7%から0.5%に下方修正された。
内閣府は資本金1000万円未満の中小企業、個人企業の動向も下押ししたとみており、アベノミクスが2年間で大企業に過去最高の業績をもたらす一方、急激な円安でコスト上昇などの影響をもろに受ける中小零細企業には恩恵がわたっていない。大企業と中小企業、業種による企業間格差を生じさせていることを浮き彫りにした。雇用者報酬も一次のプラス0.7%からプラス0.6%に下方修正、国民総所得もマイナス0.4からマイナス0.5に下方修正されている。
民主党の福山哲郎政調会長は「2年前、安倍総理が公約した名目3%以上の経済成長はまったく実現されていない。アベノミクス2年間の成果は安倍総理の自画自賛とはまったく異なる。アベノミクスの破たんは誰の目にも明らか」との談話を発表した。
福山政調会長は「実質賃金も16カ月連続で低下している。今やアベノミクスは過度な円安と悪い物価上昇を招き、家計を苦しめ、消費活動を停滞させていると言わざるをえない」とし、「国民生活に十分配慮した柔軟な金融政策や生活の不安を希望に変える人への投資、未来につながる成長戦略で雇用を創り、所得を増やす経済政策の実現への転換を図っていく」必要を提起した。(編集担当:森高龍二)