水素ステーション併設のセブン-イレブン展開へ

2014年12月15日 07:23

 トヨタ自動車<7203>が発表した「究極のエコカー」とされる燃料電池自動車(FCV)「MIRAI(ミライ)」、この「究極のエコカー」の普及の鍵を握るのは、その燃料を供給する水素ステーションの整備がどこまで進むか、である。この整備が進まないことには、ドライバーにとってはいわば「ガソリンスタンドが周辺にないまま走り続ける」状況であり、そうした状況ではドライバーも安心して運転することはできず、当然その普及率も上昇することはないだろう。しかしそうした状況に変化をもたらす発表が、産業ガス大手の岩谷産業<8088>とセブン-イレブン・ジャパンによって行われた。

 10日、岩谷産業とセブン-イレブン・ジャパンは燃料電池自動車用の水素ステーションを併設したコンビニエンスストアを展開させるとの発表を行った。2015年秋ごろをめどに水素ステーションを併設させたコンビニエンスストアを東京都と愛知県刈谷市にオープンさせ、今後その数を増やしていく方針だ。

 この水素ステーション併設のコンビニエンスストアの展開により、岩谷産業は「水素をエネルギーとして活用する社会」を推進し、セブン-イレブン・ジャパンは地域に根差した「近くて便利」な店舗づくりを推進していくとしている。そして岩谷産業とセブン-イレブン・ジャパンの将来性と日用性を融合し、「商品」「サービス」「クリーンエネルギー」を1つの店舗で提供することのできる地域インフラとしての拠点づくりを目指すとしている。

 こうして水素ステーションが身近な存在となり、今のガソリンスタンドと同じように燃料の補給をすることができるようになれば、燃料電池自動車への乗り換えを検討するドライバーの数も増えることだろう。それにより環境問題にも大きな改善の道筋が示されるはず。岩谷産業とセブン-イレブン・ジャパンのこの発表に限らず、今後も水素ステーションの設置も相次いで行われていくとみられており、それにより「クリーンな社会」が実現することを願うばかりである。(編集担当:滝川幸平)